チベットの鳥葬(天葬)
チベット仏教文化圏では、遺体を山頂など指定された場所に安置し、ハゲワシが自然に処理するようにする「鳥葬(天葬)」の風習が伝えられています。肉体は魂が去った後の空っぽの抜け殻にすぎないという仏教の無常思想と、最後の瞬間まで他の生命に施すという布施の精神が反映されており、地面を掘るのが難しい高原地形という現実的な理由もあるとされています。
ガーナのファンタジーコフィン(Fantasy Coffins)
ガーナのガ族コミュニティでは、故人が生前好きだったものや職業を象徴する魚、車、飛行機、靴の形などの華やかで個性的な棺を作って葬儀を行います。死を悲しみだけで捉えるのではなく、故人の人生を記念し祝福する意味が込められています。
米国ニューオーリンズのジャズ葬儀
アフリカ系アメリカ人とクレオールの伝統が入り混じるニューオーリンズでは、埋葬地へ向かう際にはゆっくりと厳粛な哀悼曲を演奏し、葬儀を終えて帰る道では軽快なジャズ音楽に合わせて行進し故人の人生を祝う、独特な葬送文化が続いています。
インドネシア・トラジャ族の長い葬儀
スラウェシ島のトラジャ族は、死後すぐに葬儀を行わず、葬儀費用と準備が整うまで数か月から長ければ数年間、遺体を家に共に安置してから、水牛を生け贄に捧げる盛大な葬儀(ランブソロ)を行います。その後も数年ごとに祖先のミイラを取り出して新しい服に着替えさせる「マネネ」の儀式を続けることで知られています。
ユダヤ教の速やかな埋葬の伝統
ユダヤ教の伝統では火葬を禁じ、質素な木の棺を使ってできるだけ早く(伝統的には死後24時間以内に)埋葬することを原則としています。葬儀の後には近しい家族が7日間家にとどまり弔問客を迎える「シヴァ(Shiva)」という服喪期間を持ちます。
韓国の伝統的な喪輿文化
かつて韓国では、村の共同体が共に喪輿を担ぎ、悲しい挽歌を歌いながら埋葬地まで一緒に歩いていくのが一般的な葬儀方式でした。今日では葬儀場と火葬中心の手続きに大きく変わりましたが、一部の地域の祭りや民俗村では伝統的な喪輿の行列を再現して見ることができます。
バイキングの船葬
古代スカンジナビアでは、身分の高い人物が亡くなると船に安置して地中に埋めるか、燃やして見送る「船葬」の風習があったことが、考古学的発掘によって確認されています。船はあの世へ向かう旅を象徴すると考えられていました。