「隠す」が実際に隠しているもの、隠していないもの
SSIDを隠す設定は、多くの機器が標準で表示するパッシブスキャンの一覧からネットワーク名を消すだけです。自分の機器がそのネットワークを探したり接続したりする際に送信する管理フレーム——ネットワーク名そのものを含む——は、依然として電波上に平文のまま流れています。こうしたフレームを捕捉できる無料の無線スキャンツールを使えば、「隠された」ネットワーク名も数秒で判明してしまうため、セキュリティ研究者の間ではSSIDを隠すことは実質的なアクセス制御ではなく、単なる目隠し(難読化)として分類されるのが一般的です。
SSIDを隠すことよりもはるかに重要な設定リスト
本当のセキュリティを目指すなら、WPA3による暗号化(対応していない機器ならWPA2)、短かったり個人情報に基づいたりしない長く予測しにくいWi-Fiパスワード、そしてルーター自体の管理者ログインを初期設定のユーザー名・パスワードから変更することを優先しましょう。実は多くの家庭用ルーターが、Wi-Fiパスワードそのものよりも管理画面経由で乗っ取られています。ルーターのファームウェアを常に最新に保つことも、既知の脆弱性を塞ぐ上で欠かせません。
よくある質問
SSIDを隠すとWi-Fiの速度が遅くなりますか?
いいえ、SSIDをブロードキャストするかどうかは、インターネット速度や接続性能にはまったく影響しません。唯一のデメリットは、新しい機器を接続するたびにネットワーク名とパスワードを手動で入力する手間が増えることです。
では、SSIDを隠すこと自体まったく意味がないのでしょうか?
完全に無意味というわけではありません。何気なく一覧を見ただけの近所の人や通りすがりの人に気づかれにくくする程度の効果はあります。ただし、本気で見つけようとする相手に対しては大きな障壁にはならないため、他のセキュリティ設定と組み合わせて使う補助的な手段と理解するのがよいでしょう。