ワイナーの帰属理論とは
心理学者バーナード・ワイナーが1970〜80年代に提唱した理論で、人が成功と失敗の原因をどう説明(帰属)するかが、その後の感情とモチベーションに影響を与えると説明します。教育心理学において学習動機を説明する代表的な理論として扱われ、それ以前の帰属理論を発展させたものでもあります。例えばロッターの統制の所在理論が主に内的統制傾向と外的統制傾向というひとつの軸(所在)で性格特性を説明したのに対し、ワイナーの帰属理論は所在に加えて安定性と統制可能性という2つの次元を追加し、特定の達成場面における原因の解釈とそれに伴う感情までを説明する、より拡張されたモデルとして扱われています。
学習性無力感との関係
失敗の原因を安定的で統制不可能な要因(例:生まれ持った能力不足)に繰り返し帰属させると、努力しても無駄だという認識が積み重なり、学習性無力感につながりやすいとされています。逆に努力不足のような不安定で統制可能な要因に帰属させると、再挑戦する意欲が維持されやすくなります。
よくある質問
帰属の仕方は変えることができますか?
「帰属再訓練(attribution retraining)」という概念があり、失敗の原因を能力不足ではなく努力や戦略の不足として再解釈できるよう助ける教育的介入が研究されてきました。
運で成功したと考えることは問題になりますか?
運は外的・不安定・統制不可能な原因に分類され、これが繰り返されると自分の成果に対する自信(効力感)を積み重ねにくいという限界があるとされています。