VoIP(インターネット電話)の基礎知識

音声がインターネットのデータに変換されて届くまでの流れを、順を追って見ていきましょう。

  1. VoIP(インターネット電話)とは何か

    VoIP(Voice over Internet Protocol)は、アナログの音声信号をデジタルデータのパケットに変換し、電話回線ではなくインターネット網で伝送する技術です。従来の回線交換方式の電話と違い、通話中ずっと回線を占有することはなく、他のインターネットトラフィックと同じようにパケット単位で送信されます。

  2. コーデック(Codec)の役割

    音声をデジタルデータに圧縮し、再び音に復元するアルゴリズムをコーデックと呼びます。G.711、G.729、Opusなど様々なコーデックがあり、どれを使うかによって通話の音質と必要な帯域幅が変わります。

  3. SIPとRTPプロトコル

    SIP(Session Initiation Protocol)は通話の発信・応答・切断といった「接続の確立」を担当し、RTP(Real-time Transport Protocol)は接続が成立した後、実際の音声データをリアルタイムでやり取りする役割を担います。この2つのプロトコルが連携して初めて、1つのVoIP通話が成立します。

  4. ジッター(Jitter)とジッターバッファ

    音声パケットが一定の間隔なくばらばらに届く現象をジッターと呼びます。受信側の機器は届いたパケットを一旦ジッターバッファに蓄え、一定の間隔で再生することで、音が途切れたり乱れたりする現象を軽減します。

  5. パケットロスと遅延が通話品質に与える影響

    伝送中にパケットが失われると音声が瞬間的に途切れたり乱れたりして聞こえ、遅延(latency)が大きくなると、相手の発言が終わる前に双方が同時に話し始めてしまう「かぶり」が頻発しやすくなります。

  6. 身近なVoIPの例

    Skype、Zoom、LINE通話のようにインターネット経由で発信する音声・ビデオ通話アプリは、すべてVoIP技術を使用しています。スマートフォンの通常通話も多くの場合VoLTE(LTE音声通話)方式で、従来の回線交換方式ではなくVoIP技術で音声を伝送しています。

通話中に画面が頻繁に固まるなら

ビデオ通話中に映像や音声が頻繁に途切れる場合は、まずネットワークの状態を確認するのがおすすめです。不安定なWi-Fiや回線の輻輳が主な原因であることが多いです。

遅延が通話品質に与える影響が気になるなら

VoIPの通話品質においてジッターと同じくらい重要なのが遅延です。pingテストで自分のネットワークの往復時間を確認しておくと、通話に適した環境かどうかを判断しやすくなります。

よくある質問

VoIP通話は一般の電話より料金が安いのですか?

一般的にはそうです。回線を占有し続ける従来の電話方式と異なり、既存のインターネット回線を他のデータと共有して使うため、特に国際電話で料金差が大きく現れます。ただし通話品質はインターネットの接続状態によって変わることがあります。

Wi-Fi通話(VoLTE・Wi-Fiコーリング)もVoIPですか?

はい、そうです。スマートフォンのVoLTE(LTE音声通話)とWi-Fiコーリングは、いずれも音声をデータパケットに変換して伝送するVoIP技術を基盤としています。電波の弱い場所で自動的にWi-Fi通話に切り替わるのもこのためです。