ビタミン総まとめ

脂溶性・水溶性ビタミン13種類から選ぶと、機能、欠乏症状、食品、摂取の目安まで詳しく表示します。

脂溶性ビタミン

👁️

ビタミンA (レチノール)

視力、皮膚・粘膜の健康、免疫機能の維持に関わる脂溶性ビタミンです。

主な機能

  • 暗い場所での視力を保つ視覚色素(ロドプシン)の合成に関わります。
  • 皮膚や粘膜(目・呼吸器・消化器の表面)を健康に保ち、病原体からの防御を助けます。
  • 免疫細胞の正常な機能や成長・発達にも関わります。

欠乏時に現れうる症状

  • 夜盲症(暗い場所での視力低下)
  • 眼球乾燥症、角膜の損傷
  • 皮膚の角質化、感染への抵抗力低下

主な食品

にんじん、ほうれん草、かぼちゃなど緑黄色野菜(βカロテン)動物のレバー卵黄牛乳・乳製品

1日の摂取目安は「日本人の食事摂取基準」の推奨量を参考にしてください(性別・年齢により異なります)。

過剰摂取時の注意点

脂溶性のため体内に蓄積しやすく、長期間の過剰摂取で頭痛や肝障害が現れることがあります。特に妊婦の過剰摂取は胎児の奇形リスクとの関連が報告されており、妊娠中はサプリメント摂取を慎重に判断する必要があります。

☀️

ビタミンD (カルシフェロール)

カルシウムとリンの吸収を助けて骨の健康を守る、日光を浴びると皮膚でも合成されるビタミンです。

主な機能

  • 腸でのカルシウムとリンの吸収を促進し、骨と歯を丈夫に保ちます。
  • 筋肉機能や免疫調節にも関わるとされています。
  • 皮膚が日光(紫外線B波)に当たることで体内で合成される唯一のビタミンです。

欠乏時に現れうる症状

  • 子ども: くる病(骨が弱くなり曲がる症状)
  • 成人: 骨軟化症、骨粗しょう症リスクの増加
  • 筋力低下

主な食品

鮭、サバなど脂の多い魚しいたけなどのきのこ類(天日干ししたもの)卵黄日光を浴びること自体(1日15~30分程度)

1日の摂取目安は「日本人の食事摂取基準」の目安量を参考にしてください(性別・年齢により異なります)。

過剰摂取時の注意点

サプリメントによる長期間の過剰摂取で高カルシウム血症(血中カルシウム濃度の上昇)や腎結石などが現れることがあります。日光浴による過剰症は報告されていません。

🛡️

ビタミンE (トコフェロール)

強力な抗酸化作用で細胞膜を酸化ダメージから守るビタミンです。

主な機能

  • 細胞膜の脂質成分が活性酸素によって酸化されるのを防ぐ抗酸化物質として働きます。
  • 血管の健康や免疫機能の維持にも関わります。
  • ビタミンC、セレンなど他の抗酸化栄養素と一緒に働くことで効果が高まります。

欠乏時に現れうる症状

  • 通常の食事では非常にまれです
  • 重度の欠乏では溶血性貧血、神経系の異常が現れることがあります(主に脂肪吸収障害のある場合)

主な食品

アーモンド、ひまわりの種など種実類植物油(ひまわり油、オリーブ油など)ほうれん草、アボカド

1日の摂取目安は「日本人の食事摂取基準」の目安量を参考にしてください(性別・年齢により異なります)。

過剰摂取時の注意点

サプリメントで非常に多い量を長期間摂取すると血液が固まりにくくなり出血傾向が強まることがあるため、抗凝固薬(ワルファリンなど)を服用中の場合は高用量摂取の前に医師に相談することをおすすめします。

🩸

ビタミンK (フィロキノン/メナキノン)

血液が正常に凝固するのを助け、骨代謝にも関わるビタミンです。

主な機能

  • 血液凝固に必要な複数のタンパク質(凝固因子)の合成に必須です。
  • 骨のタンパク質(オステオカルシン)の活性化にも関わり、骨の健康とも関係があります。
  • 腸内細菌によっても一部合成されます。

欠乏時に現れうる症状

  • 出血が止まりにくくなる傾向(特にビタミンKの蓄えが少ない新生児は注意が必要です)
  • 健康な成人での食事性欠乏はまれです

主な食品

ケール、ほうれん草、ブロッコリーなど緑葉野菜納豆(発酵大豆)大豆油、キャノーラ油

1日の摂取目安は「日本人の食事摂取基準」の目安量を参考にしてください(性別・年齢により異なります)。

過剰摂取時の注意点

通常の食品による過剰症は報告されていませんが、ワルファリンなどの抗凝固薬を服用中の場合、ビタミンKの多い野菜の摂取量が急に大きく増減すると薬の効果に影響することがあるため、一定に保つことが望ましいです。

水溶性ビタミン

⚡

ビタミンB1 (チアミン)

炭水化物をエネルギーに変える代謝過程と神経機能に必要なビタミンです。

主な機能

  • 炭水化物(ブドウ糖)をエネルギーに変換する代謝過程の補酵素として働きます。
  • 神経細胞の正常な機能維持に関わります。
  • 水溶性のため体内にあまり蓄えられず、継続的な摂取が必要です。

欠乏時に現れうる症状

  • 脚気(足のしびれ・むくみ、重症では心不全)
  • 疲労感、食欲不振
  • 重症の場合は神経系の異常(ウェルニッケ・コルサコフ症候群、主にアルコール依存と関連)

主な食品

豚肉玄米、全粒穀物豆類、ナッツ類

1日の摂取目安は「日本人の食事摂取基準」の推奨量を参考にしてください(性別・年齢により異なります)。

過剰摂取時の注意点

このビタミンについて、通常の食事や一般的なサプリメント摂取での過剰症は確立された報告がありません。

⚡

ビタミンB2 (リボフラビン)

エネルギー代謝と皮膚・粘膜の健康に関わる水溶性ビタミンです。

主な機能

  • 炭水化物・脂質・タンパク質をエネルギーに変換する複数の代謝過程に補酵素として関わります。
  • 皮膚、目、粘膜組織を健康に保つのに関わります。
  • 光に弱いため、牛乳などは遮光容器で保管すると栄養素の損失を減らせます。

欠乏時に現れうる症状

  • 口角炎(口角が切れる)
  • 舌炎(舌に炎症が起きる)
  • 皮膚炎、まぶしさ・充血などの目の不快感

主な食品

牛乳・乳製品卵きのこ類アーモンドなどナッツ類

1日の摂取目安は「日本人の食事摂取基準」の推奨量を参考にしてください(性別・年齢により異なります)。

過剰摂取時の注意点

このビタミンについて、通常の食事や一般的なサプリメント摂取での過剰症は確立された報告がありません。

⚡

ナイアシン (ビタミンB3)

体内の数百種類の代謝反応に関わるエネルギー代謝の中心的なビタミンです。

主な機能

  • 炭水化物・脂質・タンパク質代謝でエネルギーを作る数多くの酵素反応に必要です。
  • 神経系や消化器機能、皮膚の健康維持にも関わります。
  • 体内で必須アミノ酸のトリプトファンから一部合成されることもあります。

欠乏時に現れうる症状

  • ペラグラ(皮膚炎・下痢・認知機能低下が一緒に現れる欠乏症)
  • 食欲不振、疲労感

主な食品

鶏肉、マグロなど肉・魚落花生などナッツ類玄米、きのこ類

1日の摂取目安は「日本人の食事摂取基準」の推奨量を参考にしてください(性別・年齢により異なります)。

過剰摂取時の注意点

サプリメントで高用量(ニコチン酸の形)を摂取すると、顔や上半身が赤くなりほてる「ナイアシンフラッシュ」がよく起こり、重度の場合は肝機能に影響することがあります。

⚡

ビタミンB5 (パントテン酸)

炭水化物・脂質代謝とホルモン合成に関わり、ほとんどの食品に広く含まれるビタミンです。

主な機能

  • エネルギー代謝に中心的な補酵素A(コエンザイムA)の構成成分です。
  • 脂肪酸、コレステロール、一部のホルモンや神経伝達物質の合成に関わります。

欠乏時に現れうる症状

  • ほぼすべての食品に含まれるため欠乏は非常にまれです
  • 重度の栄養不足状態で疲労感、手足のしびれなどが報告された例があります

主な食品

卵きのこ類アボカド肉、全粒穀物

1日の摂取目安は「日本人の食事摂取基準」の目安量を参考にしてください(性別・年齢により異なります)。

過剰摂取時の注意点

このビタミンについて、通常の食事や一般的なサプリメント摂取での過剰症は確立された報告がありません。

⚡

ビタミンB6 (ピリドキシン)

タンパク質代謝と神経伝達物質の合成に関わるビタミンです。

主な機能

  • アミノ酸(タンパク質の構成成分)代謝に必要な補酵素として働きます。
  • セロトニン、ドーパミンなど神経伝達物質の合成に関わります。
  • 赤血球のヘモグロビン合成にも必要です。

欠乏時に現れうる症状

  • 貧血
  • 皮膚炎、口角のひび割れ
  • 末梢神経の異常(手足のしびれ)

主な食品

鶏むね肉などの赤身肉バナナじゃがいも玄米、全粒穀物

1日の摂取目安は「日本人の食事摂取基準」の推奨量を参考にしてください(性別・年齢により異なります)。

過剰摂取時の注意点

サプリメントで長期間非常に多い量を摂取すると、手足のしびれ・感覚異常のような末梢神経障害が現れることがあると報告されており、通常の食事では問題ありませんが高用量サプリメントには注意が必要です。

⚡

ビオチン (ビタミンB7)

脂質・炭水化物代謝に関わり、毛髪・皮膚の健康との関連でよく知られるビタミンです。

主な機能

  • 脂肪酸合成やブドウ糖生成など複数の代謝過程で補酵素として働きます。
  • 毛髪、皮膚、爪の健康との関連が知られており、関連サプリメントによく含まれます。

欠乏時に現れうる症状

  • 通常は欠乏がまれです
  • 生卵白を長期間大量に摂取すると、卵白中のアビジン成分がビオチンの吸収を妨げ欠乏を招くことがあります(脱毛、皮膚発疹など)

主な食品

卵黄(加熱したもの)ナッツ類、豆類さつまいも

1日の摂取目安は「日本人の食事摂取基準」の目安量を参考にしてください(性別・年齢により異なります)。

過剰摂取時の注意点

このビタミンについて、通常の食事や一般的なサプリメント摂取での過剰症は確立された報告がありません。

🌱

葉酸 (ビタミンB9)

DNA合成と細胞分裂に必須で、特に妊娠初期の胎児発達に重要なビタミンです。

主な機能

  • DNA・RNA合成と細胞分裂が活発な組織(血液、胎児組織など)に特に重要です。
  • 赤血球の生成に関わり、不足すると貧血を招くことがあります。
  • 妊娠初期の胎児の神経管(脳・脊髄のもと)形成に必須です。

欠乏時に現れうる症状

  • 巨赤芽球性貧血(赤血球が異常に大きくなる貧血)
  • 妊娠中の欠乏で胎児の神経管閉鎖障害(二分脊椎など)のリスクが高まります

主な食品

ほうれん草、ブロッコリーなど緑葉野菜豆類アスパラガスレバー

1日の摂取目安は「日本人の食事摂取基準」の推奨量を参考にしてください(性別・年齢により異なります)。

過剰摂取時の注意点

このビタミンについて、通常の食事や一般的なサプリメント摂取での過剰症は確立された報告がありません。

🩸

ビタミンB12 (コバラミン)

赤血球の生成と神経系機能に必須で、動物性食品にのみ自然に含まれるビタミンです。

主な機能

  • 葉酸と一緒に赤血球生成とDNA合成に関わります。
  • 神経細胞を包む髄鞘(神経の絶縁膜)の維持に必要です。
  • 植物性食品には自然には含まれていないため、ベジタリアンは別途摂取計画が必要です。

欠乏時に現れうる症状

  • 悪性貧血(巨赤芽球性貧血)
  • 手足のしびれなど末梢神経の異常、重度の場合は認知機能低下
  • 厳格な菜食(ヴィーガン)の場合は欠乏リスクが高く、補給が推奨されます

主な食品

肉、魚、貝類卵牛乳・乳製品

1日の摂取目安は「日本人の食事摂取基準」の推奨量を参考にしてください(性別・年齢により異なります)。

過剰摂取時の注意点

このビタミンについて、通常の食事や一般的なサプリメント摂取での過剰症は確立された報告がありません。

🍊

ビタミンC (アスコルビン酸)

強力な抗酸化作用とコラーゲン合成に必須で、鉄分の吸収も助けるビタミンです。

主な機能

  • 皮膚、血管、骨を構成するコラーゲン合成に必須の補因子です。
  • 抗酸化作用で細胞を活性酸素のダメージから守ります。
  • 植物性食品中の鉄分(非ヘム鉄)の吸収率を高めます。
  • 免疫細胞の正常な機能維持にも関わります。

欠乏時に現れうる症状

  • 壊血病(歯茎からの出血、傷の治りの遅れ、疲労感) — 現代ではまれですが、極端な偏食・栄養不足状態で起こり得ます

主な食品

キウイ、いちご、柑橘類などの果物パプリカ、ブロッコリーなどの野菜じゃがいも

1日の摂取目安は「日本人の食事摂取基準」の推奨量を参考にしてください(性別・年齢により異なります)。

過剰摂取時の注意点

水溶性のため過剰分は大部分が尿から排出されますが、1日2,000mg以上を長期間高用量摂取すると胃腸障害(下痢、腹痛)や腎結石のリスクが高まることがあります。

脂溶性ビタミンと水溶性ビタミン、何が違う?

ビタミンは体への吸収・貯蔵のされ方によって大きく2種類に分かれます。脂溶性ビタミン(A、D、E、K)は 脂肪と一緒に吸収され肝臓や脂肪組織に蓄えられるため、毎日欠かさず摂らなくてもすぐに欠乏することは ありませんが、長期間過剰に摂取すると体内に蓄積して過剰症が現れることがあります。一方水溶性ビタミン(ビタミンB群、C)は水に溶けて体内にほとんど蓄えられず、余った分は尿として 排出されるため、毎日こまめに摂取する必要がありますが、過剰症のリスクは比較的低くなります。

ビタミンはサプリメントで摂るべき?

バランスの取れた食事をしていれば、ほとんどのビタミンは食品だけで十分に摂取できます。ただし ビタミンD(日光を浴びる機会が少ない場合)、ビタミンB12(厳格な菜食をしている場合)、葉酸(妊娠を 計画中または妊娠初期)のように、特定の状況ではサプリメントが実際に推奨されることもあります。 特定のビタミン欠乏が疑われる場合やサプリメント摂取を検討している場合は、自己判断せず医師・ 管理栄養士に相談して必要性を確認することが安全です。

ご利用にあたって

このページは一般的な栄養学の知識をまとめた教育目的のコンテンツであり、特定の疾患の診断・ 治療や個人向けの栄養処方に代わるものではありません。欠乏症状はビタミン不足以外の病気でも 現れることがあるため、気になる症状がある場合は自己判断せず、医療機関で正確な検査を受けることを おすすめします。

よくある質問

ビタミンはたくさん摂るほど健康になりますか?

いいえ。必要量以上に摂っても効果が比例して大きくなるわけではありません。特に脂溶性ビタミン(A、D、E、K)や一部の水溶性ビタミン(ナイアシン、ビタミンB6)は、長期間の高用量摂取でかえって副作用が現れることがあるため、サプリメントは必要な分だけ摂取するのが望ましいです。

菜食主義者が特に気をつけるべきビタミンはありますか?

ビタミンB12が代表的です。自然の状態では動物性食品にしか含まれておらず、厳格な菜食(ヴィーガン)の場合は欠乏リスクが高まるため、強化食品やサプリメントで別途摂取することが推奨されます。

妊娠中は特にどのビタミンに気をつけるべき?

葉酸(ビタミンB9)が最もよく知られています。妊娠初期の胎児の神経管発達に重要で、妊娠を計画する段階からの補給が推奨されることが多いです。反対にビタミンAは過剰摂取すると胎児にリスクがある可能性があるため、妊娠中はサプリメント摂取により慎重になる必要があります。正確な摂取計画は産婦人科の診察時に相談することをおすすめします。