ベトナムの民族衣装「アオザイ」の歴史完全ガイド

体にぴったり沿ったシルエットと優雅になびくスリットで知られるアオザイは、200年近い年月をかけて今の姿にたどり着きました。

アオザイとは

体に沿った長い上衣とゆったりしたズボンを合わせて着る、ベトナムを代表する伝統衣装です。「アオ」は服、「ザイ」は長いという意味で、名前の通り長いスリットの入った上衣が最大の特徴です。

アオ・グー・タン

18世紀ごろに流行した、5枚の布で仕立てた初期の上衣で、今日のアオザイの直接の原型とされています。当時は現在よりゆったりとした作りで、何枚も重ねて着るのが一般的でした。

1930年代の近代化

1930年代、画家のグエン・カット・トゥオンをはじめとする人々が西洋の裁断技法を取り入れ、ウエストラインを体に合わせて絞り、シルエットを洗練させたことで、今日のようなアオザイの形が確立しました。

スリットとシルエット

腰の両脇に深く入れられたスリットが上衣の前後の裾を分けるのが最大のデザインの特徴で、ズボンの上で前後の裾が自然になびき、優雅な動きを生み出します。

アオザイを着る場面

テト(旧正月)や結婚式のような祝い事はもちろん、多くの学校で女子生徒の制服として、また航空会社の客室乗務員やホテルスタッフのユニフォームとしても採用されており、日常生活の中でも幅広く着用されています。

色とその意味

伝統的に、未婚の女性は白やパステルカラーを、既婚の女性は濃く華やかな色を着る傾向があり、地域によって色や模様に込められた意味や好みも多少異なっていました。

伝統と近代の仕立て技術の出会い

アオザイは最初から今のような細身のシルエットだったわけではありません。ゆったりとした上衣であるアオ・グー・タンから始まり、1930年代に西洋の裁断技法が取り入れられたことで、ウエストを絞った現在の形へと生まれ変わりました。これは伝統衣装が時代の美意識を取り入れながら発展してきた代表的な例といえます。

日常のあらゆる場面に溶け込んだ伝統衣装

多くの国の伝統衣装が特別な行事のときにしか着られないのに対し、アオザイは制服やユニフォームとしても採用され、ベトナムの人々の日常に深く根付いています。これは、アオザイが単なる礼装にとどまらず、ベトナムのアイデンティティを象徴する衣服とみなされているためです。

よくある質問

アオザイは男性も着るのですか?

かつては男女ともにアオザイを着ており、現在でも祝日や伝統的な儀式の際に男性用アオザイが着用されることがあります。ただし、今日日常的に幅広く着られているのは主に女性用のアオザイです。

アオザイの下に履くズボンは特別なデザインですか?

通常は足首までの長さの、ゆったりとした柔らかい生地のズボンを合わせます。上衣のスリットの間から見えるズボンは、全体のシルエットを完成させる重要な要素です。