米国国債を直接購入する方法

米国国債を直接購入する前に、表面利子と値上がり益(キャピタルゲイン)の違いを理解しておくと役立ちます。

米国国債とは何か

米国国債は米国連邦政府が発行する債券で、満期によって1年以内の短期国庫証券(T-Bill)、2~10年の中期国庫証券(T-Note)、20~30年の長期国庫証券(T-Bond)に分かれます。米国政府が発行体であることから、デフォルト(債務不履行)リスクが非常に低い資産の一つとされ、ポートフォリオにおける安全資産の中核としてよく利用されます。

直接購入する2つの主な方法

米国居住者は、米財務省自身が運営するプラットフォームTreasuryDirect.govを通じて、新規発行の国債を最低100ドル・100ドル単位から、証券会社の手数料なしで直接購入できます。米国外の投資家、あるいは満期前に既発債を売買したい米国投資家は、通常は証券会社の口座を通じて取引します。TreasuryDirectは海外の銀行口座に対応しておらず、また既発債の売却(セカンダリー市場での取引)にも対応していないためです。

表面利子と早期売却による値上がり益の違い

多くの米国国債は年2回、決まった表面利子(クーポン)を支払い、これは通常の利子所得として扱われます。一方、額面より安い価格でセカンダリー市場から購入し、満期前に高い価格で売却した場合、その差額は一般的にキャピタルゲイン(値上がり益)として利子所得とは別に扱われます。ただし、具体的な区分や税率は投資家自身の居住国の税制によって異なるため、特定の扱いを前提にせず、最新の情報を確認してください。

ゼロクーポン国債(STRIPS)

通常の国債の利子部分と元本部分を分離して作られることが多いゼロクーポン国債は、定期的な利払いを行わない代わりに額面より割安な価格で購入し、満期時に額面金額を受け取る仕組みです。注意点として、米国では通常の課税口座で保有する場合、実際に現金を受け取っていなくても毎年みなし利子所得(OID)として課税対象になることが多く、そのため税制優遇口座で保有されることが多い商品です。

米国外の投資家にとっての為替リスク

米国国債は米ドル建てであるため、自国通貨が米ドルではない投資家にとっては、債券自体の価格変動に加えて為替変動リスクも生じます。自国通貨に換算した際、ドル高であればリターンが上乗せされ、ドル安であればリターンが目減りします。

投資前に確認したいポイント

満期まで保有するのか、途中で売却する可能性があるのかによって考慮すべき流動性が変わってきます。満期前に売却すれば価格変動リスクがありますが、満期まで保有すればそのリスクはありません。最低購入金額、購入可能な満期の種類、取引手数料、そして保有形態(TreasuryDirectでの自己名義保有か、証券会社を通じた「ストリートネーム」保有か)はサービスによって異なるため、比較したうえで選ぶことが重要です。

投資家の立場によって異なる2つのルート

米国の銀行口座と社会保障番号を持つ米国市民・居住者は、証券会社を介さずTreasuryDirect.govから政府より直接購入でき、セカンダリー市場での売買は行いません。それ以外の投資家、そして満期前に売却したい米国投資家も含めて、通常は証券会社の口座を通じて取引します。この場合、より幅広い既発債にアクセスできますが、売買スプレッドや手数料が発生することがあります。

利子は一般的にどのように課税されるか

米国では、国債の利子は連邦所得税の対象になりますが、州税・地方税は一般的に非課税とされており、これは同等の州債や社債と比べた際の利点の一つです。米国外の投資家は、それぞれの居住国における海外源泉の利子所得に関する規定に基づいて課税され、上記の米国の扱いとは大きく異なる場合があります。このページは一般的な原則の紹介にとどまり、個々の状況に応じた税務助言ではありません。税制は改正されたり国によって異なったりするため、投資前に最新の規定を確認するか、税務の専門家にご相談ください。

よくある質問

米国国債は少額からでも購入できますか?

TreasuryDirectを通じてであれば最低100ドルから購入できます。証券会社経由の場合、最低購入金額や端数(小数点)購入への対応は証券会社ごとに異なるため、利用を検討している証券会社の情報を確認してください。

債券価格と利回りが逆方向に動くとは、具体的にどういう意味ですか?

市場金利が上昇すると、新しく発行される債券はより高い表面利子を提供するため、既存の低い表面利子の債券は、元の価格のままでは相対的に魅力が下がります。そのため市場価格が下落して調整され、逆に金利が下がれば既存債券の価格は上昇します。この関係は満期前に国債を売却する人に影響しますが、満期まで保有して額面金額をそのまま受け取る投資家には影響しません。