タイプD性格とは?
タイプDは「ディストレスド(Distressed、慢性的に苦しみを抱える)」の頭文字から取られた名称で、ベルギーの健康心理学者ヨハン・デノレットが1990年代に提唱した性格タイプです。時間へのこだわりや競争心を扱うタイプA・B行動パターン理論とはまったく別の概念で、ネガティブ感情性(NA)と社会的抑制(SI)の両方が高い場合に「タイプD性格」に分類されます。
なぜ健康心理学で注目されたのですか?
デノレットの研究チームは心臓疾患の患者を対象とした複数の研究で、タイプD性格に該当する患者はそうでない患者に比べて治療後の予後が悪かったり、生活の質が低かったりする傾向を報告しています。ネガティブな感情を頻繁に感じながらもそれを抑え込み表現しない状態が、慢性的なストレスにつながりうるというのが主な説明です。ただし、その後の研究では関連性の大きさや一貫性について異なる結果も報告されており、今も活発に研究されているテーマです。
よくある質問
タイプD性格だと必ず健康が悪くなるのですか?
いいえ。タイプDは特定の健康問題との統計的な関連が報告されている性格傾向にすぎず、個人の健康を決定づける要因ではありません。関連性の大きさや一貫性についても研究によって結果が分かれているため、あくまで参考情報のひとつとして受け止めるのがよいでしょう。
内向的な性格とタイプDは同じものですか?
違います。内向的な人でも情緒的には安定して穏やかな状態を保てます。タイプDの核心は単なる内向性ではなく、ネガティブな感情を頻繁に感じながら、それを同時に表に出せず抑え込んでしまうという組み合わせにあります。
社会的抑制(SI)
他人からネガティブに評価されることを恐れ、自分の感情や意見をあまり表現せず抑え込んでしまう傾向を指します。内心はつらくても表には出さないため、周囲が気づきにくいことが多いのが特徴です。よく見られる特徴:初対面の人の前で特に緊張し萎縮する、自分の感情をあまり出さず一人で抱え込む傾向、相手に負担をかけることを恐れて助けを求めにくい。