ストックホルム症候群とは?
ストックホルム症候群は、人質や誘拐の被害者が時間の経過とともに加害者に心理的な絆を感じるようになる現象を説明するために作られた、非常によく知られた通俗的な用語です。報道や大衆文化を通じて広く知られるようになりましたが、上で見たように公式な精神医学の診断名ではなく、そもそも独立した現象として実在するのかどうかについても学界の意見は分かれています。
同じように再検証されている他の心理学用語
ストックホルム症候群のように広く知られていながら、科学的な根拠について疑問が呈されている心理学の概念は他にも数多くあります。基礎となる研究がまだ確立していない段階で、一つの印象的な事例が報道を通じて一般の語彙に取り込まれることも多く、そのため実際の根拠以上にその概念が確立されたもの・普遍的なものであるかのように感じられてしまうことがあります。キャッチーな用語に対しては健全な懐疑心を持ち、実際のデータが何を示しているかを確認する姿勢は、通俗心理学の用語全般に対して有効な心構えといえます。
よくある質問
ストックホルム症候群は実際によく起こるのですか?
いいえ。FBIの人質データベースの分析によれば、実際にこうした反応を示す人質の割合はわずか5~8%程度と非常に低く、大衆メディアで描かれるほどありふれた現象ではありません。
正式な精神疾患として診断されることはありますか?
いいえ。ストックホルム症候群はDSMやICDのような公式な診断基準集には掲載されていません。合意された診断基準を持たない、事例を説明するための記述的な用語に近いものです。