スターンバーグの愛の三角理論:8つの愛の形をすべて解説

親密性、情熱、コミットメント。この3つの要素の組み合わせで愛の形を説明するスターンバーグの理論を紹介します。この記事は心理学理論を紹介する教育目的の内容であり、実際の関係を特定の型に当てはめて断定するためのものではありません。

非愛(親密性なし・情熱なし・コミットメントなし)

3つの要素がいずれも存在しない状態で、日常ですれ違う程度のほとんどの人間関係がここに当てはまります。軽く挨拶を交わすだけの知人関係などが例です。

好意(親密性のみ)

情熱や長期的なコミットメントはないものの、心地よさと絆だけが存在する状態で、純粋な友情に該当します。長年付き合いのある気の置けない友人関係などが例です。

夢中の愛(情熱のみ)

強い身体的・情緒的な引かれ合いはあるものの、親密性やコミットメントはまだ築かれていない状態です。相手のことをよく知らないまま一目惚れして夢中になる状態などが例です。

空虚な愛(コミットメントのみ)

親密性や情熱はなく、関係を維持しようという決意だけが残っている状態で、形式的に続いている関係で見られることがあります。感情的な交流がないまま義務感だけで維持されている関係などが例です。

ロマンチックな愛(親密性+情熱)

情緒的な親密さと身体的な情熱が結びついているものの、まだ長期的なコミットメントには至っていない状態です。強く惹かれ合い距離が縮まったものの、まだ将来を約束していない交際初期などが例です。

友愛的な愛(親密性+コミットメント)

情熱は薄れたものの、深い親密さと長期的なコミットメントが維持されている状態で、長く続いた関係でよく見られます。長年連れ添った夫婦や親しい友人関係などが例です。

浅はかな愛(情熱+コミットメント)

親密性が十分に育つ前に、情熱に押されて急いでコミットメントを決めてしまった状態で、比較的不安定になりやすいとされます。出会って間もなく情熱に流されて急に婚約するケースなどが例です。

完全な愛(親密性+情熱+コミットメント)

3つの要素がバランスよく揃った理想的な形の愛で、スターンバーグはこれを達成することよりも維持することの方が難しいと考えました。深い理解と胸の高鳴り、確固たる約束が共に存在する関係が例です。

愛の三角理論とは?

心理学者ロバート・スターンバーグは1986年、愛を親密性(Intimacy)、情熱(Passion)、コミットメント(Commitment)という3つの要素の組み合わせで説明する愛の三角理論を提唱しました。親密性は情緒的に近く絆を感じる度合い、情熱は身体的な引かれ合いとロマンチックな高揚感、コミットメントは関係を続けようとする決意と責任感を意味します。この3要素の有無によって、理論上8種類の愛の形が生まれます。

完全な愛が最も理想的なのか?

3要素をすべて備えた完全な愛(Consummate Love)は理論上もっとも理想的な形とされますが、スターンバーグはこうした愛に到達することよりも、その状態を長く維持することの方が難しいと考えました。情熱は時間とともに自然に薄れる傾向があるため、関係が続く中で親密性とコミットメントによってその空白を埋めていく努力が必要になるとされます。

よくある質問

一つの関係が時間とともにタイプが変わることもありますか?

はい、あり得ます。スターンバーグの理論では、親密性・情熱・コミットメントはそれぞれ関係の進展とともに異なる速度で変化するとされているため、一つの関係でも時間の経過とともにロマンチックな愛から友愛的な愛へ移るなど、別のタイプへ変化することがあります。

情熱がなく親密性とコミットメントだけの関係は愛ではないのですか?

スターンバーグの分類では、これを友愛的な愛(Companionate Love)という一つの愛の形として扱います。情熱が薄れたからといって愛ではないと見なすのではなく、愛が関係の段階に応じて異なる姿で現れるというのがこの理論の核心です。