階段の蹴上げ・踏面計算ガイド(ブロンデルの公式)

上り下りしやすい階段かどうかは、蹴上げと踏面という2つの数値と、その比率を判断する公式で決まります。

蹴上げと踏面が階段設計の基本

蹴上げは1段あたりの垂直方向の高さ、踏面は実際に足を乗せる水平方向の奥行きです。階段全体の高さを段数で割ると蹴上げ、全体の水平距離を段数で割ると踏面が求められます。

ブロンデルの公式で歩幅とのバランスを確認

「蹴上げ×2+踏面」がおよそ63〜65cmに収まると歩きやすいとされています。これより小さいと歩幅が詰まり、大きいと一歩ごとに無理な伸びが必要になります。

蹴上げが高いほど踏面は狭くする必要がある

ブロンデルの公式の許容範囲は比較的狭いため、蹴上げを高くして勾配を急にする場合は踏面を狭くせざるを得ず、逆に蹴上げを低く緩やかにすると踏面を広く取れます。

建築基準法では蹴上げ・踏面に上限と下限がある

住宅の階段は建築基準法施行令により、蹴上げの上限や踏面の下限が用途・規模ごとに定められています(例えば一般住宅では蹴上げ23cm以下・踏面15cm以上が目安とされますが、具体的な数値は建物の種類によって異なるため必ず最新の基準を確認してください)。

同じ階段内で寸法をそろえることが重要

同一の階段内で蹴上げや踏面の寸法が段ごとにばらつくと、わずかな差でもつまずきの原因になるため、全段で均一な寸法にそろえるのが基本です。

なぜブロンデルの公式が今も使われるのか

17世紀にフランスの建築家ブロンデルが考案したこの公式は、平地での歩幅(約63〜65cm)を階段でも再現しようという発想に基づいています。歩幅と同じ距離感を階段の一段一段で保てると、歩幅を縮めたり伸ばしたりする必要がなく自然に上り下りできます。

建築基準法の数値は快適さと安全性の両方に関わる

比率が適正範囲から外れた階段は歩きにくいだけでなく、転倒事故のリスクも高まります。そのため建築基準法施行令では、ブロンデルの公式のような設計指針にとどまらず、蹴上げの上限や踏面の下限が具体的な数値として定められています。

よくある質問

ブロンデルの公式を守れば建築基準法もクリアできますか?

必ずしもそうとは限りません。ブロンデルの公式はあくまで歩きやすさの目安であり、建築基準法施行令が定める蹴上げ・踏面の数値基準とは別物です。実際の設計では法令の基準を優先して確認する必要があります。

計算した蹴上げの数値が中途半端になった場合はどうすればよいですか?

段数を変えて再計算し、建築基準法の範囲内でかつ施工しやすいきりのよい数値になるよう調整するのが一般的です。