シュプランガーの価値観6類型を徹底解説

人が人生で最も大切にする価値観は人それぞれです。約1世紀前にドイツの哲学者エドゥアルト・シュプランガーがまとめた6つの価値観志向を見てみましょう。

理論型

真理を発見し物事の原理を理解すること自体に最大の価値を置くタイプです。知識を実用的に使うことよりも、知識そのものを追求することに満足を感じる傾向があるとされ、学者や研究者に多く見られる価値観として説明されます。

経済型

実用性、効率、有用性を何よりも重視するタイプです。何かを評価するとき「これは役に立つか」を優先的な基準にする傾向があるとされます。

審美型

形式、調和、美しさを経験し表現することに最大の価値を置くタイプです。物事を実用性ではなくそれ自体の形式美や調和で評価する傾向があり、芸術的感性が優れた人に強く見られる価値観として扱われます。

社会型

他者への愛、利他心、人間関係そのものを何よりも大切にするタイプです。他人を助けその成長に貢献することに人生の意味を見出す傾向があり、権力や理論的知識よりも人への関心と共感を優先するとされます。

権力型

権力、影響力、他者を導く地位を得ることに最大の価値を置くタイプです。ここでいう「権力」とは必ずしも政党活動を意味するのではなく、競争で優位に立ち自らの影響力を広げようとする幅広い動機を指します。組織内で主導権を握りたいという傾向が強い人に顕著に見られるとされます。

宗教型

人生全体を一つの意味あるまとまりとして理解し、超越的で究極的な価値と結びつけようとするタイプです。特定の宗教活動に限定されず、宇宙や人生の意味を統合的に理解しようとする姿勢全般を指す概念として扱われます。

価値観類型論とは?

ドイツの哲学者であり心理学者でもあるエドゥアルト・シュプランガーは20世紀初頭、人が人生で最も重要視する価値観は人によって異なり、この価値観こそが性格や行動の方向性を決める中心要素だと主張しました。彼は人間を理論型、経済型、審美型、社会型、権力型、宗教型という6つの「理想型(ideal type)」に分類しましたが、実際の人間はこの6類型が混ざり合った形で現れ、その中で相対的に強く出る価値観があるだけだと説明しています。

性格特性理論との違いと、今日の活用のされ方

ビッグファイブやMBTIといった理論が「どのように行動する傾向があるか」に焦点を当てるのに対し、シュプランガーの価値観類型論は「何を最も重要視するか」という価値判断の軸に焦点を当てる点で異なります。つまり性格特性と価値観は別の次元の概念として扱われ、同じ性格特性を持つ人でも価値観は互いに異なりうるということです。その後、心理学者ゴードン・オールポート、フィリップ・バーノン、ガードナー・リンゼイの名を冠した自己報告式の価値観検査(スタディ・オブ・バリューズ)が開発され、シュプランガーの6類型を実際に測定する道具としてキャリアカウンセリングや組織の価値観分析などで広く活用されてきました。今日ではホランドコード(RIASEC)のような職業興味理論と併せて言及されることも多くあります。

よくある質問

一人の人が複数の価値観類型に同時に当てはまることはありますか?

はい。シュプランガーは6類型を純粋な「理想型」として提示しただけで、実際の人が一つの類型のみに属するとは考えていませんでした。ほとんどの人は複数の価値観が混ざっており、その中で相対的に目立つ価値観が一つか二つある程度と理解するのが適切です。

権力型は政治家だけに当てはまる類型ですか?

いいえ。ここでいう「権力型」は政党活動ではなく、権力や影響力、競争における優位性を重視する幅広い動機を指します。組織で主導権を握りたい、あるいは競争そのものを楽しむ傾向が強ければ、権力型の価値観が顕著だと言えます。