自家醸造の比重(SG)とブリックス(Brix)の換算ガイド

比重(SG)とブリックス(Brix)は、自家醸造で溶けている糖分量を表す二つの異なる尺度で、どちらもアルコール度数の推定に使われます。

比重は水を基準にした密度の比較値

比重(SG)は水を1.000とした場合の液体の密度の比率です。糖分が溶けた麦汁やもろみは水より密度が高いため、発酵前の一般的な比重はレシピによって1.040~1.090程度になります。

ブリックスは溶解している糖分の割合

ブリックス(°Bx)はおおむね液体の重さに対する溶解固形分(主に糖分)の割合を示します。15°Bxであれば、液体の重さの約15%が糖分などの溶解固形分ということになります。

OGとFGは発酵の始まりと終わりを示す

初期比重(OG)は発酵開始前、糖分が最も多い状態で測定します。最終比重(FG)は発酵終了後、酵母が糖をアルコールとCO2に変換した後に測定するため、常にOGより低い値になります。

OGとFGから求める簡易ABV計算式

簡易的な目安として、ABV≈(OG−FG)×131.25という式がよく使われます(1.0XX形式の比重から小数部分だけを使って計算)。比重が高い醸造ではやや実際より高めの値が出る傾向があります。

屈折計は発酵後にアルコール補正が必要

屈折計は光学的にブリックスを測定でき手軽ですが、アルコールが存在すると読み取り値がずれるため、発酵が進んだ後の測定には補正計算(または別途比重計での測定)が必要になります。

なぜ両方の尺度を使い分けるのか

ブリックスは糖度の割合として直感的で、ワイン造りや果実由来の醸造で標準的に使われます。一方、比重はビール醸造のレシピや比重計という道具に長い歴史があります。使う道具やレシピの流儀によって、両者の換算が必要になる場面が多くあります。

温度がどちらの測定値にも影響する

比重計も屈折計も、多くは20℃前後の基準温度で校正されています。熱い、または冷たいサンプルをそのまま測定すると誤差が生じるため、多くの醸造計算ツールには温度補正の手順が組み込まれています。

よくある質問

アルコール度数を推定するには比重とブリックスのどちらが正確ですか?

どちらか一方が本質的に優れているわけではありません。両者は同じ「溶解固形分」を異なる尺度で表しているだけで、標準的な換算式で相互に変換できます。精度は主に温度補正と、酵母投入前にOGを正しく測定できているかにかかっています。

発酵終了後の屈折計の値が高すぎる気がします。なぜですか?

よくあるアルコールによるずれの問題です。屈折計は糖分とアルコールを合わせて読み取ってしまうため、アルコールが存在する状態では残糖を実際より多く示します。ABVの計算に使うには、アルコール補正式を適用する必要があります。