「8時間眠れば十分」が総睡眠時間だけでは判断できない理由
睡眠の質は総睡眠時間だけでなく、いくつかの睡眠周期をひと通りきちんと経過できたか、深い眠りとレム睡眠の割合が十分に確保できたかにも左右される。頻繁に中断される8時間の睡眠は、中断のない7時間の睡眠より実際の回復効果が劣ることもある。
睡眠段階は主にどのように測定されるのか
医学的には、脳波・眼球運動・筋肉の活動といった複数の生理信号を同時に記録する終夜睡眠ポリグラフ検査(ポリソムノグラフィー)によって睡眠段階を区分することが多い。市販の睡眠計測リストバンドやスマートウォッチの多くは、心拍数と体動のデータから間接的に推定しているため、専門機器と比べると精度に差があり、あくまで大まかな傾向の参考として捉える方が適切である。
よくある質問
深い眠りは多ければ多いほど良いのか
深い眠りは体の修復にとって重要だが、割合が高ければ高いほど良いというわけではない。健康な成人の場合、深い眠りはひと晩の睡眠のうちの一部分を占めるにすぎず、その割合を過度に追い求めることにあまり意味はない。それよりも、睡眠全体のリズムが規則正しく、きちんと完結しているかどうかの方が重要である。
市販のスマートウォッチで測定される睡眠段階は正確なのか
あくまで傾向の参考程度と考えるべきである。この種のデバイスは主に心拍数の変化と体動データから間接的に睡眠段階を推定しており、病院で使われる終夜睡眠ポリグラフ検査ほどの精度はなく、実際の段階と多少のずれが生じることがある。
夢をよく見るのは眠りが浅い証拠なのか
必ずしもそうとは限らない。夢は主にレム睡眠の段階で見るもので、正常な睡眠周期の一部である。ほぼ誰もが毎晩何度かレム睡眠を経験し、夢を見ているが、目覚めた後すぐに忘れてしまうことが多いだけである。夢をよく覚えていること自体が、睡眠の質が悪いことを意味するわけではない。