スキンケアペプチド成分の種類を解説

コラーゲン生成のシグナルから表情じわの緩和まで、働き方が異なる4種類のスキンケアペプチドを見ていきましょう。

シグナルペプチド

コラーゲンが分解される際に生じる断片と似た構造を持ち、皮膚細胞に新しいコラーゲンを作るよう信号を送るペプチド。パルミトイルペンタペプチド-4が代表的な成分で、肌が傷を修復する際にコラーゲンを再生する自然な信号経路を模倣するよう設計されているとされます。ただし、実際の肌でその信号が伝わり目に見える改善につながる度合いは、製品の濃度や剤形によって大きく異なることがあります。

キャリアペプチド

銅などの微量金属イオンを肌の奥の酵素まで運び、傷の修復やコラーゲン合成に関わる酵素の働きを助けるペプチド。コッパートリペプチド-1が代表的な例で、金属イオン自体が多くの酵素反応に必要な補因子として働くという点に着目した成分です。傷の治癒研究から生まれた概念がスキンケア成分へと応用された経緯があり、スキンケア製品での効果は、そのもとになった創傷治療目的の臨床研究に比べて根拠が限られている点に留意する必要があります。

酵素阻害ペプチド

コラーゲンを分解する酵素の働きを抑え、すでに作られたコラーゲンがより早く分解されるのを遅らせようとするペプチド。大豆などの植物由来のペプチドが、セリンプロテアーゼのようなコラーゲン分解酵素を阻害する形で作用するとされています。新しいコラーゲンを合成するシグナルペプチドとは異なり、すでに存在するコラーゲンの分解速度を遅らせることに焦点を当てたアプローチである点で作用の仕方が区別されます。

神経伝達阻害ペプチド

表情を作る際に筋肉を動かす神経伝達物質の分泌を減らし、表情じわの動きを和らげようとするペプチド。アセチルヘキサペプチド-8が代表例で、筋肉の収縮信号を伝えるタンパク質断片に似た構造を模倣し、神経伝達物質の分泌を妨げる仕組みで設計されているとされます。しばしばボツリヌストキシン施術の塗るバージョンのように紹介されますが、実際の効果の大きさや持続性は施術に比べてはるかに限定的と評価されています。

ペプチド成分、効果のほどはどのくらい?

ペプチドは、レチノイドやビタミンC誘導体に比べて、臨床的に検証された根拠が相対的に少ない成分群と評価されます。分子サイズが比較的大きいため、肌への浸透度合いや剤形の安定性が成分ごとに差が大きく、製品ごとの配合量や配合方法が公開されないことも多いため、消費者が効果を直接比較しにくいという限界もあります。刺激が少ないという長所があるため、レチノイドを使いにくい敏感肌の補助的な選択肢として紹介されることが多い成分です。

ペプチドとは何か、4種類はそれぞれ何を目標にしているのか

ペプチドは、アミノ酸が数個から数十個ほど短く連結した小さなタンパク質断片で、肌の中で起こる信号伝達や酵素の働きの一部を模倣するよう設計されている場合が多くあります。コラーゲンのような大きなタンパク質をそのまま塗るよりも、小さな断片であるペプチドの方が肌に吸収されやすいという発想に基づくアプローチです。上記の4種類のペプチドは目標が異なり、シグナルペプチドはコラーゲンを「新しく作れ」という信号を、キャリアペプチドはコラーゲン合成に必要な微量金属を「運ぶ」役割を、酵素阻害ペプチドはすでに作られたコラーゲンが「分解されるのを遅らせる」役割を、神経伝達阻害ペプチドは表情筋の「動きを減らす」役割を目指しており、それぞれアプローチの仕方が異なります。

他のアンチエイジング成分と一緒に使ってもいいのか

ペプチドは比較的刺激が少ないとされているため、レチノイドやAHA・BHAのような刺激性の成分と交互に使ったり、同じ製品に配合されたりする形で活用されることが多くあります。ペプチドは刺激が少ない一方で効果の実感までに時間がかかることもあるため、ペプチド単独に頼るより、別の角度から肌の再生を助ける他の活性成分と組み合わせて使う人も少なくありません。

よくある質問

ペプチド成分がたくさん入っているほど良い製品ですか?

成分表に名前が載っているからといって、効果を発揮するのに十分な濃度で配合されているとは限らない場合が多くあります。複数の種類のペプチドを配合した製品であっても、それぞれの成分の含有量と安定した剤形設計が伴って初めて、実際の効果が期待できると説明されます。

ペプチドはどんな肌タイプに向いていますか?

刺激が比較的少ない方なので、敏感肌やレチノイドの使用に抵抗がある場合の補助的な選択肢としてよく紹介されます。ただし効果の大きさが限られる場合があることを踏まえ、日焼け止めや保湿といった基本的なケアと併用するのがよいでしょう。