サティアの5つのコミュニケーション・スタンスを徹底解説

葛藤の場面での対処の仕方は人によって大きく異なります。家族療法家バージニア・サティアがまとめた、ストレス下での5つのコミュニケーション・スタンスを見てみましょう。

融和型

自分自身の感情や意見を無視し、相手の機嫌を取ることだけに集中するコミュニケーション方式です。葛藤を避け相手から認められるために常に同意し謝罪し続ける傾向があり、「自分は重要ではない」という低い自己価値感が根底にあると説明されます。

非難型

相手の感情や立場を無視し、相手の落ち度を指摘してコントロールしようとするコミュニケーション方式です。「いつも」「絶対に」といった断定的な表現で相手を追い詰める傾向があり、強く見せる態度の裏には、自分が軽視されることへの恐れがあると説明されます。

超理性型

自分と相手の感情を両方とも排除し、論理と原則だけを前面に出すコミュニケーション方式です。冷静で客観的に見える一方で感情的な交流を避ける傾向があり、コンピューターのように事務的に反応することから「コンピューター型」とも呼ばれます。

無関係型

状況とは関係のない言動で話題をそらし、葛藤そのものを回避しようとするコミュニケーション方式です。冗談を言ったり別の話題を持ち出したりして焦点をぼかす傾向があり、葛藤場面の不安に対処する力が不足しているときに現れると説明されます。

一致型

自分の考え、感情、言葉、行動が一致しており、相手を尊重しながらも率直に表現するコミュニケーション方式です。バージニア・サティアが最も健全なコミュニケーション方式として提示した類型で、自分自身、相手、状況の3つをすべてバランスよく考慮する点で、他の4つのストレス対処型とは区別されます。

サティアのコミュニケーション類型論とは?

バージニア・サティアは長年の家族療法の臨床経験を通じて、人はストレスや脅威を感じる状況で、自分自身、相手、状況という3つの要素のうち少なくとも1つを無視する形でコミュニケーションを取る傾向があることを観察しました。これをもとに、融和型、非難型、超理性型、無関係型という4つの機能不全的な類型と、3つの要素をすべて尊重する5番目の類型である一致型を提示しました。

自分・相手・状況という3要素と、交流分析との違い

融和型は自分自身を無視し、非難型は相手を無視し、超理性型は自分と相手の感情を両方とも無視して状況(原則と論理)だけを残します。無関係型はこの3要素全体を回避しようとする傾向を示します。一方、一致型は自分の考えと感情をありのままに認識しながらも、相手と状況を併せて考慮するという点で、他の4類型と区別されます。エリック・バーンの交流分析における自我状態(親・成人・子ども)が会話の中での心理的な立ち位置に焦点を当てるのに対し、サティアの類型論はストレス状況で現れる防衛的なコミュニケーションの「パターン」そのものに焦点を当てるという違いがあります。両理論とも、家族療法やカウンセリングの現場で自己理解と関係改善を助ける道具としてよく併せて言及されます。

よくある質問

一人の人は常に同じ類型でコミュニケーションを取るのですか?

いいえ。ほとんどの人は状況や相手によって複数の類型を行き来しており、その中でも特にストレス下で頻繁に現れる主な傾向がある程度と理解するのが適切です。

超理性型は単に落ち着いた性格ということではないのですか?

落ち着いていること自体は問題ではありません。超理性型は、感情を認識し表現すること自体を避け、論理と原則の裏に隠れる傾向を指します。感情を認識しながらも落ち着いて表現することは、むしろ一致型に近いコミュニケーション方式として扱われます。