給与交渉の進め方

給与オファーの交渉は、ほとんど誰にとっても気まずく感じられるものだが、雇用側もある程度は想定しており、短くても準備の行き届いた会話をするだけで十分なことが多い。

  1. 書面でのオファーが出るまで待つ

    できる限り、選考の早い段階で金額を自分から口にしないようにする。雇用側が「この人がいい」と決めてオファーを書面で提示した時点で、それより前の面接段階に比べて交渉できる立場ははるかに強くなる。

  2. まず現実的な相場を調べる

    返答する前に、給与データサイトや同等の職種・業界・地域・経験レベルの求人情報を調べておく。そうすれば、こちらから出す条件も当て推量ではなく、根拠のある妥当な範囲に基づいたものになる。

  3. 基本給だけでなく、待遇全体を見る

    ボーナス、株式報酬、退職金制度のマッチング拠出、有給休暇、リモートワークの柔軟性、健康関連の福利厚生には、それぞれ実際の価値がある。基本給が多少低くても待遇全体が手厚いほうが、結果的に良いオファーになることもある。

  4. 可能なら、雇用側に先に金額を言わせる

    先に金額を口にしたほうが、その後の会話全体の基準(アンカー)を決めることになる。オファーが出る前に希望給与を尋ねられたときは、自分で調べた範囲を答えるか、丁寧に雇用側に聞き返すほうが、その後の交渉の余地を残しやすい。

  5. 曖昧な増額ではなく、具体的な金額を求める

    「同様の職種を踏まえると、希望額はXです」といった、調査に裏付けられた具体的な金額は、しっかり情報収集した自信のある印象を与える。一方「もう少し余地はないか」といった曖昧な依頼は、雇用側にとって答えようのないものになってしまう。

  6. 要求ではなく、話し合いという姿勢を保つ

    雇用側は一般に、最後通牒のような伝え方よりも、「基本給に多少の柔軟性はありますか」といった協力的で率直な聞き方のほうに好意的に反応する。妥当な範囲内のカウンターであれば、既存のオファー自体が取り消されるようなことはめったにない。

  7. 最終的に合意した条件は書面で残す

    自分と雇用側の間で最終条件が固まったら、今の仕事を退職したり他のオファーを断ったりする前に、具体的な金額と入社日を書面のオファーレターやメールで確認しておく。

多くの候補者が交渉不足になりがちな理由

多くの候補者は、交渉することが対立的あるいはリスキーに感じられるという理由で、最初のオファーをそのまま受け入れてしまう。実際には、控えめで筋の通ったカウンターオファーはほとんどの採用プロセスにおいてごく普通のことであり、個人的に受け止められることはまれだ――企業側は一般に、何らかの反応があることを見込んで、最初のオファーにあらかじめ交渉の余地を持たせている。

通常は1回のやり取りで十分

ほとんどの給与交渉は、長々としたやり取りではなく、1〜2回の丁寧なやり取りで決着する。雇用側が明確な最終回答を出した後もそこから押し続けると、さらなる増額につながるよりも摩擦を生む可能性のほうが高い。

よくある質問

そもそも交渉すること自体にリスクはある?

ほとんどの専門職では、具体的で妥当な金額を交渉することは採用における通常のプロセスの一部であり、丁寧なカウンターオファーを理由にオファー自体が撤回されることは非常にまれだ。要求が現実的な範囲を大きく外れていたり、最後通牒のような伝え方をしたりした場合に初めてリスクが高まる。

雇用側が「これが最終条件です」と言ったらどうする?

その言葉をそのまま受け止め、給与そのものについて押し続けるのは避けたほうがよい。ただし、入社時のサイニングボーナスや追加の休暇日数、昇給の見直し時期など、給与以外の項目について一度尋ねてみるのは十分理にかなっている。