「72の法則」でお金が2倍になる期間をざっくり計算する

「72の法則」は、電卓を使わずに、投資(あるいは借金)が2倍になるまでのおおよその期間を見積もるための、何十年も前からある暗算ショートカットだ。

計算式:72 ÷ 利率

72を年利(小数ではなく整数として)で割ると、元本が約2倍になるまでのおおよその年数がわかる。年利9%なら、72 ÷ 9 = 8年。

例:年利6%の場合

72 ÷ 6 = 12年でおよそ2倍になる。これは、気軽な老後資金計画などで、長期的に分散投資した株式市場の平均リターンを想定するときによく使われる大まかな目安の数字だ。

例:年率24%のクレジットカード金利の場合

72 ÷ 24 = 3年で、未払い残高が複利によっておよそ2倍になる計算になる――同じ法則は逆方向にも成り立ち、投資だけでなく借金がいかに早く膨らみうるかも示してくれる。

逆算にも使える:目標達成に必要な利率

式を逆にすれば、必要な利率も求められる:72 ÷ (目標とする年数) = およそ必要な年利。6年でお金を2倍にしたいなら、およそ年利12%が必要になる計算だ。

なぜ「69.3」ではなく「72」なのか

正確な倍増期間の計算式には自然対数が関わり、69.3に近い定数が導かれるが、72が使われるのは、より多くの小さな数(1、2、3、4、6、8、9、12)で割り切れるため暗算がぐっと楽になるからだ――精度をわずかに犠牲にする代わりに。

年利6〜10%の範囲で最も正確

72の法則は、年利がおよそ6%から10%の範囲にあるときに最も正確な答えに近づく。それより大きく低い、あるいは大きく高い利率では、推定値が実際の倍増期間から離れていく。

購買力が半分になる期間の目安にもなる

同じ計算はインフレにも当てはめられる:72をインフレ率で割ると、一定額のお金の購買力が半分になるまでのおおよその年数がわかる。

あくまで大まかな目安であり、実際の計算の代わりにはならない

72の法則は税金や手数料、拠出のタイミング、そして実際の投資リターンは一定の利率で毎年複利計算されるのではなく年ごとに変動するという事実を考慮していない――あくまで素早い感覚チェックのためのものであり、本格的な資金計画のためのものではない。

「72」という数字がどこから来たのか

複利による正確な倍増期間の計算式は T = ln(2) ÷ ln(1 + r) であり、一般的な利率ではおよそ69.3を利率で割った値に近くなる。69.3は暗算で割るには扱いにくい数字なので、代わりに72が広く使われるようになった――正確さをほどほどに保ちながら、よくある利率での割り算がずっとしやすくなるためだ。

素早い感覚チェックであって、資金計画そのものではない

ファイナンシャルアドバイザーや投資家は、72の法則を頭の中で2つのおおまかな成長率を比較するための素早い妥当性チェックとして使い、実際の意思決定に関わることについては本格的な複利計算ツールに頼る。この法則はボラティリティや手数料、不規則な拠出を考慮していないためだ。

同じ理屈は借金にも当てはまる

複利は、貯蓄を増やす場合でも借金を増やす場合でも同じように働くため、72の法則は未払いの高金利残高がどれほど速く雪だるま式に膨らみうるかを見るのにも同じように役立つ――クレジットカードの借金が思っている以上に速く膨らみうる理由の一端はここにある。

よくある質問

72の法則は税金や手数料を考慮している?

いいえ。これは複利の純粋な数学的近似であり、増えた分がすべてそのまま投資され続けることを前提としているため、実際の税引き後・手数料控除後の倍増期間は通常もっと長くなる。

その背後にある正確な計算式は?

T = ln(2) ÷ ln(1 + r)(rは小数で表した年利)。これが72の法則が近似している正確な倍増期間を与える式だ。

倍増だけでなく、縮小の見積もりにも使える?

はい――同じ割り算で半減期間も見積もれるため、インフレが購買力をどれくらい速く削っていくかを見積もるのにも使われている。

非常に高い利率のときに、もっと正確なバージョンはある?

一部の金融資料では6〜10%の範囲から大きく外れた利率に対して「69.3の法則」や小さな補正係数を用いることもあるが、日常的な見積もりとしては72が今なお標準的なショートカットとして使われている。