ローマ神話の神々と月・曜日の名前の由来

項目をクリックして、それぞれの神が現代の暦や言葉にどんな痕跡を残したか確認してみましょう。

ヤヌス(Janus) - 始まりと扉の神

前後反対を同時に見る二つの顔を持つ姿で描かれる、ローマ固有の神で、始まりと終わり、そして扉や通路を司ります。1月を意味する英単語「January」は彼の名前に由来します。

サトゥルヌス(Saturn) - 農耕と時間の神

農耕と時間を司る神で、彼を祀る祭り「サトゥルナリア(Saturnalia)」はローマで盛大に開催されました。英語の曜日名「Saturday(土曜日)」は彼の名前に由来します。

マルス(Mars) - ローマの守護神のような戦争の神

戦争の神でありながら、ローマ人にとっては建国者ロムルスの父とされ、国家を守護する存在のように特別に崇拝されました。3月を意味する「March」と、フランス語で火曜日を意味する「mardi」の語源となりました。

ウェスタ(Vesta) - かまどと家庭の女神

家のかまどと家庭を守る女神で、ローマの神殿で消えることのない火を守る女性祭司「ウェスタの処女(Vestal Virgins)」たちが彼女に仕えました。

ユピテル(Jupiter) - ローマ神話の最高神

天と雷を司るローマ神話の最高神で、ギリシャ神話のゼウスに対応する神です。フランス語で木曜日を意味する「jeudi」は彼の名前に由来します。

ユノ(Juno) - 結婚と家庭の女神

ユピテルの妻であり、結婚と家庭を守護する女神で、彼女を祀る月である6月(June)の語源となりました。

メルクリウスとウェヌスが残した曜日の名前

伝令の神メルクリウスはフランス語で水曜日を意味する「mercredi」に、愛と美の女神ウェヌスは金曜日を意味する「vendredi」に痕跡を残しました。どちらの神もギリシャ神話のヘルメス、アフロディーテに対応します。

今日にも残るローマ神話の痕跡

ローマ神話の神々の名前は神話の本の中だけにとどまらず、今日私たちが使う月の名前や、ヨーロッパの複数の言語の曜日の名前にそのまま残っています。何気なく使っている単語の中に、古代ローマ人が世界をどう捉えていたかを垣間見ることができます。

ユリウス暦とその改革

こうした名前の多くは、大規模な暦の改革にさかのぼります。紀元前46年、ユリウス・カエサルはローマの暦を再編成し、後に「ユリウス暦」として知られる暦を作りました。そこでは太陽年とのずれを防ぐための規則的なうるう年の仕組みが導入されました。彼の死後、7月は彼にちなんで改名され、その数十年後には、ローマ元老院が同様に後継者アウグストゥス帝にちなんで別の月を8月と改名しました。つまり現代の暦の二つの月は、神ではなく実在した統治者の名前にちなんでいるのです。

よくある質問

英語の曜日名はローマの神ではなく別のところから来ていると聞きましたが、本当ですか?

はい。英語の火曜日から金曜日までの曜日名は、ローマの神ではなく北欧・ゲルマン神話の神(ティール、オーディン、トール、フレイヤ)に由来します。一方、フランス語やスペイン語のようなロマンス諸語は、ラテン語を経て、ローマの神々の名前を比較的そのまま受け継いでいます。

7月と8月もローマと関係がありますか?

はい。7月(July)はユリウス・カエサルの名前から、8月(August)は初代皇帝アウグストゥスの名前から取られたもので、神ではなく実在した人物の名前がつけられた月です。