リンゲルマン効果(社会的手抜き)をわかりやすく理解する

項目をクリックして、チームが大きくなっても総努力量が必ずしも増えない理由を確認してみましょう。

  1. 定義

    複数の人が力を合わせて一つの目標を達成しようとするとき、集団の規模が大きくなるほど、構成員一人あたりが実際に発揮する努力はむしろ減少していく現象です。

  2. マクシミリアン・リンゲルマンの綱引き実験

    フランスの農業工学者マクシミリアン・リンゲルマンは1880年代にデータを収集し、1913年に発表した研究で、参加者に一人で、そして7人、14人という集団単位で綱を引かせ、その力を測定器で測定しました。

  3. 測定された結果

    一人で綱を引いたときは一人あたり平均約85.3kgの力を発揮した一方、集団の規模が大きくなるほど一人あたりの平均的な力は着実に減少し、8人で一緒に引いたときには個人が一人で発揮できる力の半分程度まで落ち込むことがわかりました。

  4. 社会的手抜き(social loafing)との関係

    その後の研究者たちは、力が減少する原因が大きく二つ、すなわち複数人が同時に力を発揮する際にタイミングがずれる「調整の損失」と、集団の中で自分の貢献が目立たなくなることで努力を惜しむようになる「動機の損失(社会的手抜き)」に分かれることを明らかにしました。一般に社会的手抜きと呼ばれる現象は、このうち動機の損失の部分だけを指す、より狭い概念です。

  5. 組織でこれを減らす方法

    個人の成果を測定可能にして責任の所在を明確にすること、チームの規模を必要以上に大きくしないこと、そして構成員それぞれの貢献が目に見えるようにフィードバックを行うことが、社会的手抜きを減らす代表的な方法として挙げられます。

  6. 社会的促進との違い

    リンゲルマン効果は、複数人が力を合わせなければならない協力課題で現れる現象である一方、単純あるいはすでに慣れた課題を一人で行う際には、他者が見ていたり一緒にいたりすることでむしろ成績が良くなる「社会的促進」という現象もあります。集団が個人の成績に及ぼす影響は、課題の性質によって異なりうるということです。

リンゲルマン効果とは?

リンゲルマン効果とは、直感に反して、一人ひとりが共同の物理的な課題に注ぐ平均的な努力が、その課題を行う集団の規模が大きくなるほど減っていく現象を指します。100年以上前の綱引き実験で最初に確認されたこの効果は、今日でも組織がチームの規模や個人の責任を設計する際に頻繁に引用されています。

チーム規模の実践的な考え方

多くの職場やスポーツチームがリンゲルマン効果から得ている実践的な教訓は、大きければ必ずしも良いとは限らないということです。プロジェクトに人員を追加すれば全体の作業能力は増えるかもしれませんが、ある程度を超えると個人の責任感や連携が薄れ、一人あたりの成果がかえって下がってしまうことがあります。多くの成果を上げているチームは、あえて小規模を保ったり、大きな集団を役割分担の明確な小さなサブチームに分けたりして、個人の貢献が目に見える状態を保ち、動機の損失を抑えようとしています。

よくある質問

リンゲルマン効果と社会的手抜きは同じものですか?

厳密には同じではありません。リンゲルマン効果は発揮される力全体の低下を指し、その原因は、共同で力を発揮する際にタイミングが完全に一致しないことによる調整の損失と、単に努力を惜しむようになる動機の損失の二つに分かれます。社会的手抜きは、このうち動機の損失の部分だけを狭く指す用語です。

組織で社会的手抜きを減らすにはどうすればよいですか?

個人の成果を測定可能にして責任の所在を明確にすること、チームの規模を必要以上に大きくしないこと、そして各人の貢献が集団全体から見えるようにフィードバックを行うことが、実践的でよく挙げられる方法です。