電力線通信(パワーラインアダプター)でインターネットを拡張する方法

家庭にすでにある電気配線をそのままデータ通信の経路として使うパワーラインアダプターは、便利な反面いくつかのクセもあります。

電力線通信は既存の電気配線を使ってデータを送る

パワーラインアダプターをコンセントに差し込むと、電気を流す配線にデータ信号を重ねて送り出します。同じ建物内の別の場所にあるもう1台のアダプターがその信号を受信し、有線のイーサネット接続として出力します。

Wi-Fi中継機とは解決する課題が異なる

Wi-Fi中継機は無線信号を空間に繰り返し送りますが、距離や壁によって弱くなります。パワーラインアダプターは配線を通じて信号を伝えるため、Wi-Fiがほとんど届かない厚い壁や複数階をまたぐ場所でも比較的安定して機能することがあります。

メッシュWi-Fiとは重なりつつも異なるニーズに対応する

メッシュシステムは家全体の無線カバー範囲を一度に広げますが、パワーラインアダプターは通常、ホームオフィスや別室のスマートTVなど、離れた1か所に有線接続(または小規模なWi-Fi)を作るのに向いています。

設置は基本的に差し込んでペアリングするだけ

ほとんどのキットでは、1台目をルーターの近くのコンセントに差し込みイーサネットケーブルで接続し、2台目を接続が必要な機器の近くのコンセントに差し込みます。多くの機種は自動的に、またはボタン1つでペアリングされます。

2台のアダプターは同じ電気系統(回路)上にある必要がある

電力線通信の信号は基本的に異なる電気回路やブレーカー間をきれいに越えられないため、大きい住宅や古い住宅でよくある、異なる回路にアダプターが接続されているケースでは、接続できなかったり、想定より大幅に性能が落ちたりすることがあります。

実際の速度はカタログ表記を大きく下回ることが多い

「1000Mbps以上」といった表記は、理想的な実験室条件下で測定された理論上の最大値です。実際の家庭では配線の古さ、距離、家電からの干渉、ブレーカーなどの影響で、その一部程度の速度しか出ないことが一般的です。

家庭によって速度に大きな差が出る理由

家庭の電気配線はもともとデータ通信用に設計されていないため、その状態が結果を大きく左右します。配線の古さ、配線の長さ、同じ回路上にある冷蔵庫・電子レンジ・調光スイッチなどの家電からの干渉は、いずれもパッケージに記載された数値と比べて実際のスループットを目に見えて下げる要因になります。

パワーラインアダプターが適している場面

パワーラインアダプターは、ルーターから離れていてWi-Fiの電波が弱く、かつイーサネットケーブルを配線するのが現実的でない、固定された1台の機器がある場所に特に向いています。地下のオフィス、ガレージ、別の階にあるスマートTVなどが典型的で理にかなった使用例です。

よくある質問

2つのコンセントが異なるブレーカー(電気回路)上にある場合でもパワーラインアダプターは使えますか?

使える場合もありますが、信号が分電盤を経由して別の回路まで戻る必要があるため、大きな信号劣化が生じ、性能が大きく落ちたり、まったく接続できなかったりすることがよくあります。

電源タップや雷サージ保護タップはパワーラインアダプターの妨げになりますか?

はい。多くの雷サージ保護タップや電源タップは、パワーラインアダプターが利用する高周波信号を遮断してしまいます。タップを経由せず、アダプターを壁のコンセントに直接差し込む方が、一般的により安定した性能が得られます。