オプションの損益図の読み方:コールとプットの仕組み

オプションの満期時の損益は、権利行使価格・プレミアム・ポジションの種類さえわかれば、決まった形で読み解けます。その読み方を見ていきましょう。

コールの買い:価格が「権利行使価格+プレミアム」を超えると利益が出る

コールの買いは原資産を権利行使価格で買う権利(義務ではない)を得るポジションで、満期時の原資産価格が権利行使価格を、支払ったプレミアム以上に上回った時点から利益が出始める。

コールの損益分岐点 = 権利行使価格 + 支払ったプレミアム

例えば権利行使価格50ドル・プレミアム3ドルでコールを買った場合、満期時の損益分岐点は53ドルになる。それ未満ではポジションは損失になる(最大損失は支払ったプレミアムの3ドル)が、それを超えると原資産価格の上昇とほぼ1対1で利益が増えていく。

プットの買い:価格が「権利行使価格-プレミアム」を下回ると利益が出る

プットの買いは原資産を権利行使価格で売る権利を得るポジションで、満期時の原資産価格が権利行使価格を、支払ったプレミアム以上に下回った時点から利益が出始める。実質的に価格下落に賭けるポジション。

プットの損益分岐点 = 権利行使価格 - 支払ったプレミアム

例えば権利行使価格50ドル・プレミアム3ドルでプットを買った場合、満期時の損益分岐点は47ドルになる。それより価格が下がるほど利益は増え続ける(理論上の下限はゼロ)が、それを上回る場合は損失が支払ったプレミアムの3ドルに限定される。

オプションの買いは損失がプレミアムに限定されるが、売り(発行)はそうではない

オプションの買い手の最大損失は、市場がどう動こうとも常に支払ったプレミアムに限られる。損失が出るオプションは単に権利行使しなければよいだけだからだ。一方、カバーなしでオプションを売る(発行する)側はその逆で、買い手が権利を行使すれば契約を履行する義務があるため、はるかに大きい、あるいは理論上無限大のリスクを負うことになる。

損益図の形の読み方

損益図は縦軸に損益、横軸に満期時の原資産価格をとって描かれます。コールの買いの線は、権利行使価格までは(プレミアム分のマイナスで)水平に推移し、そこから45度の角度で右肩上がりになります。プットの買いの線はこれと鏡写しの形になり、権利行使価格より上では水平(プレミアム分のマイナス)、そこから価格が下がるにつれて右肩上がりになります。この「水平からの角度変化」という形こそが、オプションの買い手にとっての「限定された損失・限定されない(あるいは大きい)利益」を視覚的に表しています。

これは「満期時点」の損益であり、今日のオプション価格ではない

この図が示しているのはあくまで満期時点での価値です。満期前は、オプションの実際の市場価格(プレミアム)には時間的価値やインプライド・ボラティリティも反映されており、これらは満期が近づくにつれて減少・変動するため、原資産の価格が全く動かなくても時間的価値の減少だけでオプションの価値が下がることがあります。この記事は損益構造の仕組みを説明するものであり、特定のオプション戦略を推奨するものではありません。オプション取引には大きな損失のリスクが伴います。

よくある質問

コールを買う場合の最大損失は本当に常にプレミアムだけですか?

はい、買い(ロング)のコールやプットについては常にそうです。権利行使は義務ではなく任意なので、利益の出ないオプションは単に権利行使せずに無価値のまま満期を迎えさせればよく、価格がどれだけ不利に動いても損失は支払ったプレミアムに限定されます。

リスクが無限大になり得るのに、なぜオプションを売る(発行する)人がいるのですか?

オプションの売り手は通常、そのオプションが無価値のまま満期を迎える(プレミアムをそのまま利益として得る)ことを見込んでいるか、あるいはすでに保有している株式に対して収入を得る目的(「カバードコール」)で利用していることが多く、カバーなしのオプションを売る場合とはリスクの性質が大きく異なります。