世界最古の大学まとめ

「最初」という肩書きを持つさまざまな大学と、その判断基準の違いを見ていきましょう。

「世界最古の大学」を一つに決めるのは難しい

設立年、継続的に運営されているかどうか、正式に学位を授与していたかなど、何を基準にするかによって、複数の機関がそれぞれ「最初」として語られます。

カラウィーイーン大学(モロッコ)

西暦859年、ファーティマ・アル=フィフリーがモロッコのフェズに設立したと伝えられ、ユネスコとギネス世界記録により、世界最古かつ現在も運営が続く学位授与教育機関として認められています。当初はモスクに付属する教育施設として始まりましたが、その後正式な大学へと編入され、今日までその歴史を受け継いでいます。

アズハル大学(エジプト)

970年頃、エジプトのカイロに設立され、今日まで続くイスラーム教育の長い中心地として、現存する最古級の大学の一つに数えられます。イスラーム神学をはじめとするさまざまな学問を教える機関へと成長し、今もイスラーム世界において重要な学術機関としての地位を保っています。

ボローニャ大学(イタリア)

1088年に設立され、ヨーロッパでは最古の大学として広く知られており、「ヨーロッパ大学の母」という愛称でも呼ばれます。ヨーロッパの大学制度の原型を作った場所として評価されており、その後ヨーロッパ各地に設立された数多くの大学が、ボローニャ大学の運営方式を参考にしたとされています。

オックスフォード大学(英国)

正確な設立年は明確にはわかっていませんが、1096年以前からすでに教育が行われていたという記録が残っており、英語圏で最古の大学とされています。長い歴史とともに、数多くのノーベル賞受賞者や各国の指導者を輩出してきたことでも有名で、今も世界屈指の名門大学としての地位を保っています。

古代の高等教育機関

インドのナーランダ僧院大学(5世紀頃)のように、今日の「大学」とは形態が異なるものの、すでに古代にも体系的に学問を教える高等教育機関が存在していました。ナーランダはかつてアジア各地から数千人の学僧が集まった仏教学の中心地でしたが、その後破壊され歴史の中に姿を消しました。今日の大学と直接系譜がつながっているわけではありませんが、高等教育の長い歴史を示す事例としてよく取り上げられます。

韓国の由緒ある教育機関

韓国の歴史においても、新羅の国学、高麗の国子監、朝鮮の成均館のように、国が運営してきた由緒ある高等教育機関が受け継がれてきました。今日の大学制度とは形態が異なりますが、国家が人材育成のために体系的な高等教育機関を運営してきた長い伝統を示す事例です。

古代文明の知の伝統もあわせて

これらの古い教育機関が生まれた背景に興味がある方は、世界の古代文明まとめもあわせてご覧ください。

宗教と学問の関係が気になる方へ

カラウィーイーンやアズハルのように、宗教機関から出発した大学は少なくありません。世界の宗教まとめで背景知識をさらに確認してみてください。

注意事項

「世界最古の大学」という表現は、資料によって指し示す機関が異なることが多くあります。これは誤りというより、判断基準(設立年、継続運営の有無、学位授与の有無など)がそれぞれ異なることによるものだとご理解ください。

よくある質問

結局、本当に最古の大学はどこなのですか?

一つに断定するのは難しいです。「継続的に運営されてきた学位授与機関」という基準では、カラウィーイーン大学がよく挙げられますが、「ヨーロッパ大学制度の起源」という基準では、ボローニャ大学が挙げられるなど、基準によって答えが変わります。

ナーランダはなぜ今日の大学に直接つながらないのですか?

ナーランダは古代に破壊された後、再建されることなく歴史の中に消えていったため、今日まで続く大学と直接的な系譜のつながりがありません。ただし、高等教育の長い歴史を示す象徴的な事例としてよく語られます。