GPSが普及した今でもNTPが必要な理由
GPS受信機は非常に正確な時刻を提供しますが、ノートパソコンや屋内のスマートフォン、IoTセンサー、データセンター内のサーバーなど、身の回りの機器の多くはGPS受信機を内蔵しておらず、そもそも衛星が見える環境にもありません。そこでストラータム階層の出番です。GPSや原子時計に接続されたごく少数のストラータム1サーバーが、公開・組織内の膨大な数のNTPサーバー群を通じて時刻を配信することで、自前の基準時計を持たないほぼすべてのインターネット接続機器にまで正確な時刻が行き渡ります。
補足:NTPの精度にも限界がある
一般的なNTPの同期精度は数ミリ秒から数十ミリ秒程度で、ウェブ閲覧や認証、通常のログ記録には十分すぎるほどです。一方、金融取引システムや通信network、マイクロ秒・ナノ秒単位の精度が必要な科学機器では、オープンなインターネットではなく制御された低遅延ネットワーク向けに設計された、より厳密な規格であるPTP(Precision Time Protocol)が使われます。要件にミリ秒未満のタイミング精度が含まれる場合、NTP単体では通常不十分です。
よくある質問
コンピューターの時計がずれると、実際にどんな問題が起きますか?
代表的な例としては、正常なHTTPSサイトにアクセスしているのに証明書エラーが表示される、2段階認証(OTP)のコードが何度入力しても無効と判定される、複数サーバーのログを正しい時系列順に比較しづらくなる、といった問題が挙げられます。
スマートフォンもNTPで時刻を合わせていますか?
はい。ほとんどのスマートフォンは、設定で「ネットワーク提供の時刻を使用」のようなオプションを有効にしておくと、通信キャリアのネットワークやインターネットを通じて自動的に時刻を同期します。このオプションをオフにすると端末自身の時計だけに頼ることになり、時間とともに少しずつずれていく可能性があります。