Now-Next-Laterロードマップとは何か

Now-Next-Laterロードマップは、具体的な日付の代わりに「今どれだけ分かっているか」を正直に伝える形式です。その仕組みを見ていきます。

「Now(今)」:チームが実際に取り組んでいること

Now列には、すでに着手していてスコープもある程度明確な作業が入ります。これは希望ではなく近い将来の実際のコミットメントを表しており、関係者が「そろそろ出るはず」と合理的に期待できる唯一の列です。

「Next(次)」:計画済みだがまだ着手していないこと

Next列に入る項目は、Nowの作業が終わった後にチームが取り組む可能性が高いものですが、まだ着手しておらず、Nowを進める中で得られた知見によって順序が変わることもあります。方向性とおおよその順番を示すものであり、確定した開始日を示すものではありません。

「Later(後で)」:方向性としては見えているが、まだ大まかな段階

Later列には、チームがいずれ取り組む価値があると考えているアイデアや意図が入ります。NowやNextの項目よりもずっと抽象度の高い書き方をすることが多く、これは、優先順位が変わりやすいこの先の段階で細かく計画しても無駄になりやすいためです。

意図的に具体的な日付を含めない

この形式の最大の特徴は、あえて何を書かないかにあります。特にNextとLaterには確定した公開日を記載しません。これは、実際にはそこまで先の時期が本当には分からない状況で、日付ベースのロードマップが生む誤った精密さを避けるための意図的な選択です。

従来の日付ベースのロードマップとの違い

ガントチャート型や四半期単位のロードマップは、カレンダー上の日付に紐づいた具体的なコミットメントを伝えるもので、依存関係のあるチーム間の調整や契約上の締め切りには向いていますが、本質的に不確実な長期的作業に当てはめると誤った安心感を生んでしまいます。Now-Next-Laterはまさにこのギャップを埋めるために作られた形式です。

なぜ一部のチームは日付ベースのロードマップから離れるのか

遠い未来の項目に具体的な日付をつけると、チームとしては大まかな推測のつもりであっても、関係者からは約束として受け取られがちです。そして当初の見積もりがどれだけ妥当であったとしても、日付が守られなければ信頼は損なわれます。Now-Next-Laterは、おそらく外れる日付を示す代わりに、列の位置によって確信度を暗黙的に伝えることでこの問題を回避します。

トレードオフ:関係者にとっての予測しやすさが下がる

Now-Next-Laterの正直さには実際の代償があります。マーケティング施策の開始日や契約上の締め切りなど、具体的な日付を基準に調整する必要のある関係者にとっては、計画の立てにくさが増します。外部との強いコミットメントを抱えるチームは、内部の優先順位付けにはNow-Next-Laterを使い、何かがNowに移った段階で具体的な日付を別途交渉するというハイブリッドな運用が必要になることが多いです。

よくある質問

Now-Next-Laterロードマップはどれくらいの頻度で更新すべきですか?

一般的には数週間から1ヶ月に一度見直し、調整します。この形式は今現在の考えを反映するためのものであり、項目は時間の経過とともにLaterからNext、Nowへと目に見える形で移っていくべきです。まったく動かないロードマップは、実際に活用されていないサインと言えます。

Now-Next-Laterは社外向け・顧客向けのロードマップにも使えますか?

使えます。むしろ公開プロダクトロードマップでよく選ばれる形式です。チームが守れないかもしれない具体的な日付を約束することなく方向性を顧客に伝えられるためで、日付にコミットしてしまう公開ロードマップがよく引き起こす不満を避けられます。