ノーベル賞6部門を徹底解説

ノーベル賞は実は、歴史も選考委員会も選考プロセスも異なる6つの独立した賞の総称です。

アルフレッド・ノーベルの遺言から始まった5部門

ダイナマイトの発明で知られるスウェーデンの化学者・発明家アルフレッド・ノーベルは、1895年の遺言で財産の大部分を、その年「人類に最大の利益」をもたらした人物に贈る物理学、化学、生理学・医学、文学、平和の各賞の基金に充てるよう定めました。

経済学賞は厳密には「本来のノーベル賞」ではない

正式名称は「アルフレッド・ノーベル記念スウェーデン国立銀行経済学賞」で、ノーベルの死から数十年後の1968年にスウェーデン中央銀行が創設し、本来の遺贈とは別の資金で運営されています。それでも他の賞と同時に授与され、一般には「ノーベル経済学賞」と呼ばれています。

部門ごとに選考する機関が異なる

物理学、化学、経済学の受賞者はスウェーデン王立科学アカデミーが選びます。文学賞はスウェーデン・アカデミー、生理学・医学賞はカロリンスカ研究所が選びます。平和賞だけは、ノーベル自身の指示によりスウェーデンではなくノルウェーの委員会が選考する点が特徴的です。

推薦者リストは50年間非公開

候補者を推薦できるのは、過去の受賞者や該当分野の教授、関連する各国議会の議員など限られた招待者のみで、ある年の推薦者・候補者の全リストは50年後まで公表されません。

受賞者が実際に受け取るもの

各賞には金メダル、賞状、賞金(毎年金額が決定され、最大3人で共同受賞する場合は均等に分配)が贈られます。稀にその年は該当者なしとなることもあり、1つの賞を同時に受賞できるのは最大3人までと定められています。

部門が増えない理由

数学やコンピュータ科学など新しい部門を追加すべきという声が繰り返し上がるものの、既存の6部門は個別の設立憲章・規程によって運営されており、ノーベル本人の遺言自体を改変することはできないため、部門構成は固定されたままです。数学のフィールズ賞やコンピュータ科学のチューリング賞など他の賞は、ある意味ノーベル賞がカバーしてこなかった分野を補う形で存在しています。

各賞は一斉にではなく個別に発表される

各部門はそれぞれの選考機関によって、通常10月上旬の約1週間の間に日を分けて発表され、経済学賞が最後に発表されるのが通例です。正式な授賞式はノーベルの命日である12月10日に、ストックホルム(平和賞のみオスロ)で行われます。

よくある質問

なぜ平和賞だけスウェーデンではなくノルウェーで授与されるのですか?

ノーベルの遺言には平和賞をノルウェーの委員会に委ねるよう明記されていますが、明確な理由は記録されていません。歴史家の多くは、当時のノルウェーの平和外交における評判や、スウェーデン王室との議会的なつながりが背景にあると見ています。他の賞はすべてスウェーデンが運営しています。

亡くなった後でもノーベル賞を受賞できますか?

原則としてできません。基本的に存命の人物にのみ贈られる賞で、選考プロセスも選考時点で候補者が存命であることを前提としています。ただし、選考後・正式発表前に受賞者が亡くなった稀なケースでは、死後の授与が認められた例もあります。