マレーの心理的欲求理論とは
アメリカの心理学者ヘンリー・マレーは、人間の行動が空腹や渇きのような生理的欲求だけでなく、達成したい、認められたい、他者を助けたいといった心理的欲求からも生まれると考えました。彼はこうした心理的欲求を「psychogenic needs」と名付け、自律、秩序、誇示、理解など20以上の詳細な欲求リストを提示しました。人によってこれらの欲求の強さと組み合わせが異なるため、それぞれ違った性格や行動パターンが現れると説明しました。
どのように測定したか、そしてマクレランドによる単純化
マレーはこの理論を測定するため、クリスティアナ・モーガンとともに主題統覚検査(TAT、Thematic Apperception Test)を開発しました。曖昧な絵を見せてそれについての物語を作らせると、その物語の中に回答者自身の欲求が投影されて現れるという投影法の検査で、今日でも臨床や研究の場面で限定的に活用されています。マレーの弟子だったデイヴィッド・マクレランドは、後にこの膨大な欲求リストの中から組織・職場の文脈で特に重要な達成・権力・親和の3つの欲求だけを取り出し、別の理論として発展させました。
よくある質問
マレーの欲求は正確には何種類ありますか?
マレーは1938年の著書で20以上の心理的欲求リストを提示しており、その後研究者によってリストの整理の仕方が多少異なる場合もあります。このページでは性格理解のためによく引用される代表的な欲求を取り上げて紹介しています。
これらの欲求は互いに矛盾することもありますか?
はい。マレーは欲求同士が衝突したり相反したりすることがあると考えました。例えば自律欲求と依存欲求は互いに逆方向に働くことがあり、同じ人の中でも状況によって異なる欲求が優勢になることがあると説明しました。