なぜガードナーは単一のIQを否定したのか
ガードナーは1983年の著書『Frames of Mind』で、従来のIQテストは主に論理的・言語的な能力という狭い範囲しか測っていないと批判し、知能は個人や文化によって異なる形で現れる、複数の独立した能力の集合として理解すべきだと提唱しました。
理論をめぐる学術的な議論
多重知能理論は教育分野、特に生徒それぞれの得意分野を生かす教授法に大きな影響を与えました。一方で計量心理学の専門家からは、これら8つの「知能」が本当に独立したものなのか、それとも相関し合う一般的な認知能力の一側面にすぎないのか、実証的な裏付けが弱いという批判もあります。
よくある質問
この理論はIQテストに取って代わったのですか?
いいえ。標準化されたIQテストは今も心理学研究や臨床評価の主要な測定手段です。多重知能理論は計量心理学よりも、教育方針や教授法への影響の方がはるかに大きいと言えます。
ある知能が高く、別の知能は低いということもありますか?
はい、それがこの理論の核心です。一つの総合スコアではなく、8つの領域にわたる得意・不得意のプロフィールとして能力を捉えるのがガードナーの考え方です。