モース硬度事典 — 鉱物硬度1〜10まとめ

滑石からダイヤモンドまで、鉱物の硬さを表すモース硬度の10段階を見てみましょう。

1 — 滑石(タルク)

爪でも簡単に傷がつきます。モース硬度で最も軟らかい基準鉱物です。触るとぬるぬるした感触があり、細かく砕いてベビーパウダーや化粧品の原料に使われます。

2 — 石膏(ジプサム)

爪でようやく傷がつきます。爪の硬さと同程度の軟らかい鉱物です。水と混ぜると固まる性質があり、建築用の石膏ボード、セメント、ギプスなどに広く使われます。

3 — 方解石(カルサイト)

銅貨で傷がつきます。大理石や石灰岩を構成する主成分鉱物です。酸性の物質(酢など)をかけると泡を出して反応する特徴で簡単に見分けられます。

4 — 蛍石(フローライト)

ナイフの刃で簡単に傷がつきます。紫外線を当てると蛍光を発することで有名な鉱物で、「蛍光(fluorescence)」という言葉自体がこの鉱物の名前に由来しています。

5 — 燐灰石(アパタイト)

ナイフの刃でようやく傷がつきます。人間の歯のエナメル質や骨の主成分と化学的に非常によく似た鉱物です。リン酸塩が豊富で、肥料の原料としても採掘されます。

6 — 正長石(オーソクレース)

鋼鉄のナイフの刃では傷つきません。地殻を構成する鉱物の中で最も一般的な長石類に属します。花崗岩の主要構成鉱物で、細かく砕いて陶磁器の釉薬の原料にも使われます。

7 — 石英(クォーツ)

ガラスを簡単に傷つけます。地殻中で長石の次に一般的な鉱物で、砂の主成分です。圧力をかけると電気が発生する性質(圧電効果)により、時計や電子機器の水晶振動子として活用されます。

8 — トパーズ

石英を傷つけることができます。透明で澄んだ結晶が宝石として愛される鉱物で、11月の誕生石の一つでもあります。純粋な結晶は無色ですが、微量の不純物によりさまざまな色を帯びます。

9 — 鋼玉(コランダム)

トパーズを傷つけることができます。ダイヤモンドに次いで硬い天然鉱物です。赤色を帯びるとルビー、それ以外の色はサファイアと呼ばれますが、実はこの二つは同じ鉱物です。

10 — ダイヤモンド

自然界で最も硬く、あらゆる鉱物を傷つけます。炭素原子のみで構成された自然界最硬の物質で、モース硬度の最上位基準です。優れた硬度により宝石だけでなく産業用切削工具にも使われます。

モース硬度とは?

モース硬度(Mohs Hardness Scale)は1812年にドイツの鉱物学者フリードリヒ・モースが考案した尺度で、二つの鉱物を互いに擦り合わせたときにどちらに傷がつくかを基準に、鉱物の相対的な硬さを1(最も軟らかい)から10(最も硬い)までの10段階に分けたものです。

数字が大きいほど何倍硬いのでしょうか?

モース硬度は絶対的な強度差ではなく相対的な順序を表しています。実際には10番のダイヤモンドが9番の鋼玉よりはるかに大きな差で硬く、単純に数字の差だけで強度差を測ることはできません。

よくある質問

爪、硬貨、ガラスの硬度はそれぞれどのくらいですか?

一般的に爪は約2.5、銅貨は約3.5、ガラスや鋼鉄の刃は約5.5〜6.5程度とされており、野外で簡単な道具を使って鉱物のおおよその硬度を推定する際に活用されます。

ルビーとサファイアが同じ鉱物というのは本当ですか?

はい、その通りです。両方の宝石はどちらも鋼玉(コランダム)という同じ鉱物で、微量のクロム成分が入って赤みを帯びるとルビー、それ以外の色ではサファイアと区別されます。