証券会社がスイープ口座を提供する理由
証券口座に入れたまま使われていない現金は、顧客にとって何の利回りも生まず、証券会社にとっても収益になりません。そのため多くの証券会社は、待機資金を提携銀行の預金やMMF、レポ取引などのスイープ商品に自動的に振り向け、顧客はわずかでも利回りを得られ、証券会社やその提携先はその資金運用から利ざやを得る、という双方にメリットのある仕組みを作っています。普通預金とまったく同じ仕組みだと思い込まず、裏側の構造を理解しておくことが大切です。
MMFにも「元本割れ」の稀なリスクがある
MMFは基準価額を安定的に保つよう設計されていますが(米国では慣例的に1株1ドル)、これはあくまで設計上の目標であり、絶対的な保証ではありません。2008年の金融危機の際、米国の大手MMFのひとつが大口保有していた資産のデフォルトによって、基準価額が一時的にこの安定水準を下回る出来事があり、いわゆる「ブレーキング・ザ・バック」として広く知られています。その後の規制強化によって極めて稀な事象となっていますが、変動が小さい現金同然のファンドであっても、銀行預金にはないリスクがゼロではないことを示す例です。
よくある質問
スイープ口座は銀行預金と同じくらい安全ですか?
何に投資しているかによって完全に異なります。銀行預金に振り向けるタイプは実際の銀行預金であるため通常の預金保険の対象になり得ますが、MMFやレポ取引に投資するタイプは投資商品であるため原則として対象外です。実際にはどちらも変動が小さい傾向にはありますが、正確な保護内容は商品説明書で確認する必要があります。
給与振込口座の代わりとして使うならどちらが向いていますか?
デビットカードや口座振替機能を備えたスイープ口座のほうが、資金をすぐに使えるため給与振込口座や普段使いの口座の代わりとして実用的です。MMFは解約手続きを経てから現金化されるため、急な出金にはやや不向きです。