満期マッチング型(ターゲットマチュリティ)債券ETFをわかりやすく解説

このタイプのETFは、一般的な債券ファンドよりも、1本の債券を満期まで保有するのに近い性質を持つように設計されています。その仕組みを見ていきましょう。

満期マッチング型債券ETFとは

満期マッチング型(ターゲットマチュリティ型)債券ETFは、特定の年(例えば2030年)前後に満期を迎える債券をまとめて組み入れ、ファンド自体もその年に合わせて償還・清算されるように設計された債券ETFです。

個別債券を保有するのと似た性質を持つ理由

一般的な債券ETFが満期を迎えた債券を売却して新しい債券に随時入れ替え、平均満期を一定に保ち続けるのに対し、満期マッチング型は組み入れた債券を実際に満期を迎えるまで保有し続けます。組入債券は満期時に額面で償還されるため、途中で金利が変動しても、目標年にどれくらいの金額を受け取れそうかをあらかじめ大まかに見積もりやすいという特徴があります。これは個人が債券を直接購入し満期まで保有するのと似た効果を、少額の資金で多数の発行体に分散しながら得られるという点で魅力とされています。

満期が近づくほど価格が額面に収れんする

組み入れられた債券の残存期間が短くなるほど、ETFの市場価格も次第に額面(基準価額)に近づいていく傾向があります。そのため、満期に近い時期に新規投資するほど価格変動幅は相対的に小さくなる一方、目標満期までの期間が長い商品ほど金利変動による価格変動(デュレーションリスク)は大きくなります。

それでも毎日市場価格で取引されるETFである

満期まで保有することを前提とした債券型商品ではありますが、あくまで取引所に上場されたETFであるため、満期前であれば毎日の需給に応じて形成される市場価格でいつでも売買できます。したがって満期前に途中売却すると、当初期待していた満期時の想定価格とは異なる価格で取引される可能性があり、満期まで保有した場合の利回りがあらかじめ確定している預金や個別債券とはこの点が異なります。

投資前に確認すべき点

投資前には、組み入れられている債券の信用格付けと発行体がどこなのか、目標年に実際にどのような形で償還・清算されるのかを、目論見書などの商品説明資料で確認することが重要です。総経費率(運用コスト)や組入債券の信用リスクによって実際の実現利回りは変わり得るため、表面的な目標利回りだけでなく商品の構造全体を確認したうえで判断することが望まれます。

個別債券を直接買う代わりにこの商品が使われる理由

個別債券を組み合わせて分散されたはしご型ポートフォリオ(ボンドラダー)を組むには、通常まとまった資金と、自分で発行体ごとの信用リスクを評価する手間が必要です。満期マッチング型債券ETFは、その分散効果を1つの取引しやすい証券にパッケージ化しているため、個別銘柄を管理する手間をかけずに、債券らしい満期に紐づいた成果を求める投資家によく利用されます。

預金や個別債券の直接保有と比べたトレードオフ

満期に紐づいた予測しやすいリターンを、分散投資込みで得られる点が魅力ですが、その裏返しとして、預金と違いETFの価値は満期前は市場に応じて変動しますし、自分で吟味した1つの発行体だけを保有する個別債券と違って、多数の発行体の信用リスクにさらされることになります。このトレードオフを自分の投資期間や許容できるリスクと照らし合わせて判断することが、選択の際の重要なポイントです。

よくある質問

満期マッチング型債券ETFを目標年まで保有すればリターンは保証されますか?

預金のような保証ではありません。目標年まで保有すれば、ファンド組成時に見積もられた利回りにおおむね近い成果が期待できますが、実際の結果は組入債券の発行体全てが元利金をきちんと支払うかどうかにも左右されるため、信用リスクがなくなるわけではなく、あくまで分散されているにすぎません。

一般的な債券ETFとの違いは何ですか?

一般的な債券ETFは満期を迎えた債券を随時新しい債券に入れ替え、平均満期をほぼ一定に保ち続けて運用が続くのに対し、満期マッチング型ETFは時間の経過とともに平均満期が短くなっていき、ファンド自体も特定の目標年前後で終了するように設計されています。