アイデンティティ・ステイタス理論とは、4つは順番通りに進むのか
アイデンティティ・ステイタス理論は、発達心理学者ジェームズ・マーシャが1966年にエリク・エリクソンのアイデンティティ発達の概念を拡張して提唱した理論です。マーシャは青年期・成人期のアイデンティティ発達を探求(exploration)と関与(commitment)という2つの軸で捉え、その組み合わせによって4つのステイタスに分類しました。必ずしも決まった順序で進むわけではありませんが、一般的には拡散や早期完了から出発し、モラトリアムでの積極的な探求を経てアイデンティティ達成に至る流れが自然だと説明されます。同じ人でも、進路・価値観・人間関係など領域によって異なるステイタスに置かれていることがあります。
大人になってからもアイデンティティ・ステイタスは変わりうるのか
はい。アイデンティティ達成に至ったからといって、それが一生固定されるわけではありません。転職、離婚、その他の重大な人生の転機をきっかけに、既存のアイデンティティを再び探求し直す「再モラトリアム化(MAMAサイクル)」と呼ばれる過程を経ることは珍しくないとされます。これは後退ではなく、継続的なアイデンティティ発達の自然な一部として理解されています。
よくある質問
早期完了は拡散よりも良い状態ですか?
単純に優劣をつけることはできません。早期完了は表面的には安定して見えますが、自ら探求していない確信であるという限界があり、拡散は探求も関与もない状態です。長期的には、十分な探求を経たアイデンティティ達成が4つの中で最も安定した状態と考えられています。
モラトリアムの時期がつらく感じるのは正常ですか?
はい。モラトリアムは複数の可能性を試しながら不確実性に耐えなければならない時期のため、不安や混乱を伴うことが多いとされます。これはアイデンティティ達成に向かう自然な過程として理解されるのが一般的です。