リンクアグリゲーション(NICチーミング・ポートボンディング)とは?

複数のLANポートを1本の接続のように束ねて帯域幅と冗長性を確保する仕組みを順番に見ていきましょう。

リンクアグリゲーションとは

サーバーやNAS、スイッチが持つ複数の物理LANポートを、論理的に1本の接続のように束ねる技術です。NICチーミングやポートボンディングとも呼ばれます。

束ねる目的:帯域幅の合算と冗長性

目的は大きく2つあります。複数のクライアントの通信を複数のポートに分散させて全体の帯域幅を増やすことと、1本のポートが切れても残りのポートで接続を維持する冗長性です。ただし分散アルゴリズムによっては、特定の1台との通信速度が2倍になるとは限りません。

LACP規格

LACP(Link Aggregation Control Protocol)は、両端の機器がどのポートを1つのグループとして束ねるかを自動的に協議・管理する標準プロトコルで、異なるメーカーの機器同士でも互換性を保てます。

スイッチ側の対応も必要

リンクアグリゲーションはサーバーやNAS側だけの設定では完結せず、反対側に接続するスイッチも同じ規格に対応し、同じグループとして設定されている必要があります。

NASやサーバーでの活用例

多数のクライアントが同時にアクセスするNASやファイルサーバーでは、ポートを2本以上束ねておくことで、複数ユーザーが同時に接続した際の全体的な速度向上を期待できます。

家庭のインターネット回線では効果が限定的

一般家庭ではインターネット回線自体の速度がボトルネックになっていることが多く、また多くの分散アルゴリズムは1台の機器との単一セッションの速度をポート1本分以上には引き上げません。そのため家庭用ルーター環境では体感できる効果が小さいことが多いです。

合計の帯域幅が増えるのであって、1対1の速度が増えるわけではない

よくある誤解は、ポートを2本束ねれば特定の相手との通信も2倍速くなると考えてしまうことです。多くの環境では、分散アルゴリズムが通信相手の組み合わせごとにどのポートを使うかを決めるため、実際に効果が出るのは複数のクライアントが同時に接続している場面であり、1対1の単一の通信ではありません。

この機能に出会いやすい場面

リンクアグリゲーションは、業務用NAS、仮想化サーバー、管理型スイッチなどでよく使われ、管理者は帯域幅の増加とケーブルやポートが1本切れた際の予備経路の両方を目的として設定します。一般的な家庭用ルーターではあまり見かけず、効果も限定的です。

よくある質問

ポートを2本束ねると、特定の1台との通信も2倍速くなりますか?

多くの場合そうはなりません。多くの分散アルゴリズムは通信相手の組み合わせごとにどのポートを使うかを決めるため、特定の1台との単一セッションの速度はポート1本分にとどまることが多いです。効果は複数のクライアントが同時に接続した場合に現れやすくなります。

家庭用ルーターでもリンクアグリゲーションは使えますか?

一部の高性能なルーターやNAS製品にはポートボンディング機能がありますが、家庭のインターネット回線自体の速度がボトルネックになっていることが多く、実際の体感効果は限定的なことが多いです。