「子ども」「未成年」「若者」年齢の定義はなぜ法律ごとに違うのか

同じ「若者」という言葉でも、法律によって指す年齢がまったく違う、ということをご存知でしたか。

乳幼児

「乳幼児」の範囲は文脈によって異なりますが、多くの国の児童福祉・保育関連の法律では、就学前のおおむね5〜6歳未満を目安に区切ることが一般的で、保育施設の利用対象を決める基準として使われます。

児童(子ども)

国連の「子どもの権利条約」は18歳未満のすべての人を「子ども」と定義しており、この条約を批准した多くの国の児童福祉・児童保護関連の法律は、これと同じか近い定義を採用しています。年齢による保護カテゴリーの中でも、最も広く国際的に共有されている区分です。

青少年(思春期)

世界保健機関(WHO)は一般的に10歳から19歳を「思春期(adolescent)」としており、これは特定の法的権利の枠組みというより、子どもから大人への移行期を表す公衆衛生・発達段階上の区分として使われます。

未成年者(法律行為能力)

契約や民事上の「未成年者」は、一般的に成年年齢(多くの国で18歳、ただし必ずしも一律ではない)に達していない人を指し、親権者など法定代理人の同意なしには単独で契約を結んだり重要な財産を管理したりできないとされます。

少年(少年司法)

刑事司法・少年司法の制度では、一定の年齢に達していない加害者に対して成人とは異なる保護的な手続きを適用するのが一般的です。その年齢の上限や、そもそも刑事責任を問えない年齢の下限(刑事責任年齢)は、国によって大きく異なります。

若者(ユース)

国連は統計上「若者(youth)」をおおむね15歳から24歳と定義していますが、各国の若者政策・支援関連の法律ではこれよりずっと広い範囲を対象とすることが多く、就労支援や住宅支援の対象年齢を30代前半・半ばまで広げている国もあります。

なぜ法律ごとに基準が違うのか

それぞれの年齢区分は、その法律が目的とする保護や支援の内容に合わせて設計されています。有害な環境から子どもを守ることを目的とする法律は基準を厳格かつ狭く設定する傾向がある一方、若年成人層への支援拡大を目的とする法律は基準を大きく広げる傾向があり、唯一の「正しい定義」があるわけではなく、目的ごとに適した定義があるだけです。

「子ども」「未成年者」「若者」は同じ意味ではない

これらの言葉はなんとなく同じような意味に思えますが、それぞれ異なる法分野から生まれた、異なる保護目的を持つ概念です。「子ども」は主に福祉と危害からの保護、「未成年者」は契約などの法律行為を単独で行えるかという法的能力、「若者」は自立に向かう若年成人への支援対象という観点から定義されています。同じ一人の人でも、契約法上は「未成年者」でありながら、児童福祉の保護対象からはすでに外れている、というケースも十分にあり得ます。

国際的な枠組みが各国の年齢定義に与える影響

国連の子どもの権利条約のような国際条約は、多くの国を「子どもとは18歳未満」という広く共有された定義へと導いており、この一点に関しては年齢に関する法律の中でもかなり高い国際的な一致が見られます。ただし同条約は、成年年齢や婚姻年齢、刑事責任年齢を各国の国内法にゆだねる余地を大きく残しており、同じ条約を批准している国同士でも、これらの基準が依然として大きく異なっている理由はここにあります。

よくある質問

「未成年者」と「若者」は同じ意味ですか?

いいえ。「未成年者」は成年年齢(多くの国で18歳)を基準にした法的能力の概念で、単独で契約などの法律行為ができるかどうかを表します。「若者」はそれよりずっと幅の広い政策上のカテゴリーで、支援制度によっては30代前半まで含まれることもあり、法的能力というより人生の一段階を表す言葉です。

18歳になれば、あらゆる法律で完全な大人として扱われますか?

自動的にそうなるわけではありません。18歳は世界的に最も一般的な成年年齢ですが、選挙権年齢、飲酒年齢、婚姻年齢、運転免許取得年齢はそれぞれ別の法律で個別に定められており、18歳を超えていない、あるいは超えていても、特定の行為については別の年齢基準による制限を受けることがあります。