株式市場の階層:メイン市場・グロース市場・新興企業向け市場・OTC市場

銘柄がどの市場に属しているかによって、流動性やリスクは大きく変わります。

メイン市場

メイン市場は、多くの取引所において大型で実績のある優良企業が集まる中心的な市場です。上場には自己資本、売上、利益といった厳しい財務基準を満たす必要があり、その国を代表する主要株価指数の算出基盤になるのが一般的です。

グロース市場

グロース市場は、IT・バイオ・メディアなど成長性の高い中小企業を主な対象としており、上場基準はメイン市場よりも緩やかです。多くのグロース市場には、まだ黒字化していない企業でも、専門評価機関による技術力審査を通過すれば上場できる「技術評価上場」制度が設けられており、赤字の新薬開発企業やテック企業が上場する例も珍しくありません。

新興企業向け市場

新興企業向け市場は、創業初期のスタートアップや小規模企業を対象に、グロース市場よりもさらに上場基準を緩和した市場で、将来的にグロース市場へステップアップするための足がかりとして設計されていることが多いです。

OTC市場(店頭市場)

OTC市場は、取引所そのものではなく業界団体が運営していることが多く、上場準備中、あるいは上場の予定がない非上場企業の株式を売買できる場です。開示水準の高い区分と低い区分に分かれていることが一般的で、開示水準が低い区分ほど情報面でのリスクが大きくなります。

市場間のステップアップ

新興企業向け市場で成長した企業はグロース市場へ、グロース市場でさらに大きくなった企業はメイン市場へと、「上位市場変更」を通じてステップアップできることが多く、自己資本や時価総額、売上などの基準を満たせば、新規上場審査よりも簡略化された手続きで移行できる優遇制度が設けられていることが一般的です。

新興企業向け市場・OTC市場で注意すべき点

新興企業向け市場やOTC市場の銘柄は、メイン市場やグロース市場に比べて取引量が非常に少なく、買値と売値の差が大きく開いたり、希望するタイミング・価格で売買できなかったりすることがあります。開示義務も比較的緩やかなことが多く、企業情報を十分に得られない場合もあるため、証券会社はこうした市場に初めて投資する顧客に対し、注意事項を説明することが求められているのが一般的です。

自分の証券アプリで市場区分を確認する方法

多くの証券アプリでは、銘柄の詳細画面に市場区分が表示されます。ただし、OTC市場の銘柄は通常の証券アプリでは取引できないことが多く、市場運営団体が提供する別のプラットフォームや、証券会社が用意する専用サービスを利用する必要がある場合があるため、事前に確認しておきましょう。

空売りなどの制度も市場によって異なる

市場区分によって、空売りや信用取引の対象になるかどうかといった実務的な違いが生じることもあります。このページは一般的な情報提供を目的としており、特定の銘柄への投資助言ではありません。上場基準などの具体的な数値は制度改正により変わることがあるため、最新の基準は各取引所や業界団体の発表で確認してください。

よくある質問

新興企業向け市場の銘柄に投資するには、今でも特別な預託金や口座が必要ですか?

国や時期によって異なります。以前は新興企業向け市場への投資に一定額の預託金や専用口座が必要だった例もありますが、その後この要件が撤廃され、一般の投資家が特別な預託金なしに投資できるようになった市場も多くあります。それでも証券会社は、初めて投資する顧客に対して注意事項の説明を行うのが一般的です。

OTC市場で買った株は、メイン市場やグロース市場の銘柄と同じように売れますか?

売買自体は可能ですが、取引量がはるかに少ないため、希望するタイミングや価格で売れないことがあります。税金の扱いも取引所上場銘柄と異なる場合があるため、売却前に証券会社や税理士に確認しておくと安心です。