韓国の書院(ソウォン)文化完全ガイド

書院は朝鮮時代に地方の儒学者たちが建てた私立の教育機関で、性理学を学ぶ学校であると同時に、先賢を祀る祠堂でもありました。その基本をまとめました。

書院とは何か

朝鮮時代(1392〜1897年)に地方の儒学者たちが性理学を研究し、先賢を祀るために建てた私立の教育機関です。国が運営する地方の学校である郷校とは異なり、地方の儒学者たちが自主的に設立し運営した点が特徴です。

紹修書院、最初の書院

1543年に豊基郡守だった周世鵬が建てた白雲洞書院に始まる書院で、中国の朱熹が創建した白鹿洞書院を手本のひとつにしたと伝えられています。その後、朝鮮で初めて国王から名前と土地、書籍を賜る「賜額書院」となり、書院という制度が全国に広がるきっかけをつくりました。

祭祀の空間

書院には学問を研究する講学空間とあわせて、学派の源流となる儒学者や地域の先賢を祀る祠堂が設けられています。この祭祀の機能があるからこそ、書院は単なる学校ではなく、教育と祭祀が結びついた空間となっています。

書院の空間配置

一般的には正門を抜けると講堂のある講学空間があり、その奥の高い場所に祠堂のある祭祀空間が配置される「前学後廟」という配置が用いられ、儒生たちが寝泊まりしながら学ぶ寄宿空間である東斎・西斎もあわせて備えていました。

書院撤廃令

朝鮮後期に書院の数が増えすぎて、免税特権の乱用や党派政治の拠点になるといった弊害が深刻化したため、1871年に興宣大院君が全国の書院のうち47か所だけを残し、大々的に整理した出来事です。

韓国の書院とユネスコ

2019年、紹修書院、陶山書院、屏山書院など韓国の書院9か所が「韓国の書院」という名称でユネスコ世界遺産に登録され、性理学の教育文化としての独自の価値が国際的に認められました。

教育と祭祀が結びついた独自の空間

書院は国が運営する郷校とは異なり、地方の儒学者たちが自主的に設立し運営した私立の教育機関で、学問研究とあわせて学派の源流となる先賢を祀る祭祀の機能を兼ね備えているのが特徴です。この二重の性格は、朝鮮の性理学文化が地域社会に根づく上で重要な役割を果たしました。

繁栄と整理をともに経験した制度

紹修書院を皮切りに全国に急速に広まった書院は、朝鮮後期になると免税特権の乱用や党派の拠点へと変質する弊害を生むようになりました。結局、興宣大院君の書院撤廃令によって大々的な整理を経験しましたが、残った書院は今日も韓国の性理学教育文化を示す重要な遺産として残っています。

よくある質問

書院と郷校はどう違うのですか。

郷校は国が設立し運営を支援した官立の学校であるのに対し、書院は地方の儒学者たちが自主的に設立し運営した私立の学校であるという点で根本的に異なります。ただし、両者とも性理学の教育と孔子など先賢への祭祀をあわせて担っていたという共通点もあります。

ユネスコに登録された韓国の書院はどこですか。

2019年に紹修書院、陶山書院、屏山書院、玉山書院、筆巌書院、道東書院、南渓書院、武城書院、遯巌書院の9か所がまとめて登録されました。