国民健康保険と健康保険(社会保険)の基本 完全ガイド

日本の公的医療保険は大きく2つの制度に分かれています。「国保」と「社保」と呼ばれることが多い、この違いを整理しました。

大きく分けて2つの制度

日本の公的医療保険は、自営業者などが加入する「国民健康保険(国保)」と、会社員などが加入する「健康保険(社会保険、社保)」に大きく分かれます。

国民健康保険の加入者

自営業者、フリーランス、農業従事者、無職の人、退職して健康保険を脱退した人などが対象で、住んでいる市区町村が運営しています。

健康保険(社保)の加入者

会社員や公務員などが対象で、勤務先を通じて協会けんぽ、健康保険組合、共済組合などに加入します。

国保の保険料の決まり方

前年の所得に応じた「所得割」、加入者数に応じた「均等割」など、自治体ごとに定められた複数の要素を組み合わせて世帯単位で計算され、原則として全額を自分で負担します。

社保の保険料の決まり方

給与額に応じた保険料率で計算され、会社と本人が原則として半分ずつ負担します(労使折半)。

扶養家族の扱いの違い

社保では収入の少ない配偶者や子どもを「被扶養者」として、追加の保険料なしで加入させられますが、国保には扶養という考え方がなく、家族それぞれの分の保険料がかかります。

退職時の切り替え

会社を辞めて社保の資格を失った場合、国保に加入するか、条件を満たせば元の会社の健康保険を任意継続するか、家族の扶養に入るかを選ぶことになります。

40歳以上は介護保険料も

40歳になると、国保・社保どちらの加入者にも介護保険料が上乗せされ、65歳以上になると保険料の徴収方法が変わります。

どちらが得というものではない

国保と社保は保障の範囲や保険料の計算方法が異なりますが、会社員は加入先を自分で選べるわけではないため、単純にどちらかを「選んで得をする」制度ではありません。退職などで加入先が変わる場面で、正しい手続きを期限内に行うことが重要になります。

75歳になると後期高齢者医療制度に移行

国保・社保のいずれに加入していても、75歳になると自動的に後期高齢者医療制度に移行し、それまでの保険証は使えなくなり新しい保険証に切り替わります。

よくある質問

会社を辞めたら健康保険の手続きはいつまでにすればいいですか?

一般的に退職日の翌日から14日以内に国民健康保険への加入手続き、または任意継続の申請が必要とされています。正確な期限は自治体や加入していた健康保険組合に確認してください。

保険料は国保と社保のどちらが安いですか?

所得や家族構成、自治体の保険料率、扶養の有無によって結果は個人ごとに異なるため、一律にどちらが安いとは言えません。判断に迷う場合は、自治体の国保窓口や健康保険組合に見積もりを確認することをおすすめします。

扶養に入るとはどういうことですか?

社保に加入している家族の被扶養者になることで、収入が一定基準以下であれば自分自身の保険料負担なしで健康保険に加入できる仕組みのことです。国保にはこの制度がありません。