この研究がなぜ重要だったのか
ケーガンは同じ子どもたちを乳児期から成人期まで数十年にわたって追跡する長期研究を行い、気質にはごく早い時期から測定可能な生物学的基盤があることを示した先駆的な研究の一つとなった。これは、乳児は生まれつき「白紙」であり性格は生後の育て方だけで決まるという、20世紀半ばの通念に一石を投じるものだった。
「生まれか育ちか」という単純な二分法にも当てはまらない
ケーガン自身も、生物学的要因が決めるのはあくまで「起こりうる結果の範囲」であって固定された道筋ではないと繰り返し強調していた。環境や経験は、その範囲のどこに実際に着地するかを大きく左右する。支持的で少しずつ挑戦を促すような育て方をされた高反応性の乳児は、多くの場合、軽度の慎重さは残りつつも機能的な大人に育っている。
よくある質問
「高反応性」は不安障害と同じものですか?
いいえ。高反応性は、研究環境において新奇な刺激に対して慎重さや強い生理的緊張を示す統計的傾向を指す言葉であり、それ自体は診断名ではありません。一部の研究では不安関連の特性がやや多く見られるという相関はありますが、高反応性だった子どもの大多数は臨床的な不安障害を発症していません。
気質は一生変わらないのですか?
根底にある反応パターンの傾向自体は比較的安定しているとされますが、それがどう表れるかは経験や対処スキル、置かれた環境によって大きく変わり得ます。ケーガン自身の長期追跡対象者も、成人後の結果には実際にばらつきが見られ、生後4か月の時点で人生が固定されるわけではありません。