住宅ローン控除の基本 完全ガイド

マイホームの取得で住宅ローンを組んだ人が使える住宅ローン控除について、基本の仕組みを整理しました。

基本の仕組み

住宅ローンを利用して住宅を新築・取得・増改築した場合に、年末時点の住宅ローン残高の一定割合を、一定期間にわたって所得税額から直接差し引ける制度です。所得控除ではなく税額控除である点が特徴です。

対象になる主な要件

床面積が原則50平方メートル以上であること、取得後6か月以内に居住を開始すること、控除を受ける年の合計所得金額が一定額以下であることなど、複数の要件を満たす必要があります。

控除率と期間は制度改正で変わる

控除率(年末残高に対する割合)や控除を受けられる期間、対象となる借入限度額は税制改正のたびに見直されるため、住宅を取得する年度の最新の制度内容を必ず確認する必要があります。

住宅の環境性能で条件が変わる

省エネ基準を満たした住宅(認定長期優良住宅、ZEH水準省エネ住宅など)かどうかによって、借入限度額や適用条件が異なる仕組みになっています。

新築と中古(既存住宅)で扱いが異なる

中古住宅を取得した場合は、新築住宅に比べて控除期間や借入限度額の面で条件が異なるのが一般的です。

初年度は確定申告が必須

給与所得者(会社員)であっても、住宅ローン控除を初めて受ける年は自分で確定申告をする必要があります。

2年目以降は年末調整でも可能

給与所得者の場合、2年目以降は勤務先の年末調整で住宅ローン控除の手続きができ、確定申告は不要になります。

必要書類

住宅ローンの年末残高証明書(金融機関発行)、登記事項証明書、売買契約書の写しなどが必要書類として求められることが多いです。

所得控除と税額控除の違い

医療費控除やふるさと納税の寄附金控除は「所得控除」で、課税対象となる所得そのものを減らす仕組みですが、住宅ローン控除は「税額控除」で、計算された所得税額から直接一定額を差し引きます。同じ金額でも税額控除の方が家計への影響が大きくなりやすい仕組みです。

制度の内容は年度によって変わる

住宅ローン控除は少子化対策や住宅の環境性能向上といった政策目的に合わせて、控除率・控除期間・借入限度額が数年おきに見直されてきた制度です。過去の年に取得した知人の話と、自分がこれから取得する年の制度内容が同じとは限らないため、住宅を取得する年の公式な最新情報を確認することが欠かせません。

よくある質問

住宅ローン控除だけを目的に、あえて繰り上げ返済を遅らせるべきですか?

年末時点の借入残高が控除額計算のベースになるため、住宅ローン控除の適用期間中は繰り上げ返済のタイミングを工夫する人もいますが、金利負担と控除額のどちらが有利かは金利水準や残りの返済期間によって変わるため、慎重な比較が必要です。

住宅ローン控除と住宅取得等資金の贈与税の非課税制度は併用できますか?

一定の要件のもとで両方を利用できる場合がありますが、贈与を受けた資金の額によって住宅ローン控除の対象になる借入額の計算が変わることがあるため、事前に制度の詳細を確認することが望ましいです。

ふるさと納税と住宅ローン控除を同じ年に使うと損をしますか?

住宅ローン控除(税額控除)を先に所得税額から差し引く仕組みのため、住宅ローン控除の適用によって所得税額が大きく下がっている年は、ふるさと納税のワンストップ特例や寄附金控除の恩恵を十分に受けられない場合があります。

転勤で一時的にその住宅に住まなくなった場合はどうなりますか?

控除の適用には原則としてその住宅に引き続き住んでいることが要件となるため、単身赴任など一定のケースを除き、居住しなくなった期間は控除の対象から外れることがあります。詳細な取り扱いは税務署や国税庁の情報で確認してください。