起源 - アブラハムと契約、モーセと出エジプト
ユダヤ教は紀元前約2000年頃、アブラハムが神と結んだと伝えられる契約(契約)に起源を持つとされ、その後モーセがエジプトで奴隷状態にあったヘブライの民を率いて脱出(出エジプト)し、シナイ山で十戒と律法を授かったという伝承を通じて信仰体系が確立されました。
中心となる聖典 - トーラーとタルムード
トーラーはモーセ五書(創世記~申命記)を指し、ユダヤ教で最も権威ある聖典で、キリスト教旧約聖書の冒頭部分に当たります。タルムードはトーラーの律法を後代のラビたちが解釈・議論した内容を集大成した文献で、ユダヤ人の日常的な信仰実践に実質的な指針を与えます。
唯一神信仰と契約思想(選民思想)
ユダヤ教は形のない唯一神を信じ、神とイスラエルの民が結んだ契約を信仰の中心的な枠組みとします。この契約に基づき、ユダヤの民は神の律法を守って生きる特別な責任を負っているとする思想がありますが、これは信徒の間では優越性ではなく、律法を実践する義務を担っているという意味で理解されています。
安息日(シャバット)の風習
安息日は金曜日の日没から土曜日の日没まで続き、天地創造の際に神が六日間働いて七日目に休んだという記述に従い、労働を止めて家族と共に礼拝と休息に専念する日です。この間、電気をつけたり車を運転したりするなど、労働に分類されるさまざまな行為を控える伝統があります。
コーシェル(カシュルート)の食事規定
カシュルートは何をどのように調理して食べるべきかを定めたユダヤ教の食事規定で、この規定に適った食べ物をコーシェル(適正な食べ物)と呼びます。反芻し、ひづめが割れている動物の肉のみを許可し豚肉を禁じること、肉と乳製品を一緒に調理・摂取しないことなどが代表的な規則です。
主要な分派 - 正統派・保守派・改革派
正統派は伝統的な律法を文字通り厳格に守る流れであり、改革派は時代に合わせて律法解釈を柔軟に適用する流れ、保守派はこの両者の中間的な立場を取ります。こうした分化は特に19世紀以降、ヨーロッパやアメリカでユダヤ人共同体が近代化を経る中で顕著になりました。
アブラハムの宗教としてのキリスト教・イスラム教との関係
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教はいずれもアブラハムを共通の祖と仰ぎ、唯一神信仰を共有するという点で共にアブラハムの宗教に分類されます。キリスト教はユダヤ教の聖典を旧約聖書として受け入れ、イスラム教もアブラハムやモーセ、イエスを預言者として認めるなど、三つの宗教は歴史的に深く結びつきながらも、それぞれ異なる方向へ発展してきました。