IPアドレスクラス(A~E)を徹底解説

192.168から始まるアドレスがなぜあんなに見慣れているのか。その裏にあるクラスの概念を解説します。

クラスフル(Classful)アドレス体系とは

IPv4アドレスを先頭ビットのパターンによってA~Eの5つのクラスに分けていた初期の割り当て方式です。現在はCIDR方式に置き換えられていますが、プライベートIPアドレス帯を説明したり、ネットワークの基礎を学んだりする際には今でもよく使われる用語です。

クラスA:0~127から始まる、超大規模ネットワーク向け

先頭オクテットが0~127(実際に割り当て可能なのは1~126)で、デフォルトのサブネットマスクは255.0.0.0(/8)です。1ネットワークあたり1,600万台以上のホストを収容でき、大手通信会社や政府機関などに割り当てられていました。

クラスB:128~191から始まる、中規模ネットワーク向け

先頭オクテットが128~191で、デフォルトのサブネットマスクは255.255.0.0(/16)です。1ネットワークあたり最大65,534台のホストを収容でき、大学や中堅企業などに割り当てられていました。

クラスC:192~223から始まる、小規模ネットワーク向け

先頭オクテットが192~223で、デフォルトのサブネットマスクは255.255.255.0(/24)です。1ネットワークあたり254台までのホストしか収容できませんが、小規模オフィスや家庭用ネットワークの説明で最もよく登場します。おなじみのプライベートIP帯192.168.0.0~192.168.255.255も、このクラスCの範囲に含まれます。

クラスD:224~239から始まる、マルチキャスト専用

224.0.0.0~239.255.255.255の範囲は、1つの送信元から複数の受信先へ同時にデータを送るマルチキャスト用のグループアドレスとしてのみ予約されており、パソコンやスマートフォンのような個々の機器に割り当てられることはありません。

クラスE:240~255から始まる、予約・実験用

240.0.0.0~255.255.255.255の範囲は、当初から将来の用途や研究・実験のために予約されており、通常のインターネット通信には使われません。範囲の末尾にある255.255.255.255は、ネットワーク全体に送信するブロードキャストアドレスとして別途使われます。

現在は固定クラスの代わりにCIDR表記を使う

現在のルーターやネットワーク機器は、A・B・Cのような固定された境界の代わりに、/24や/27のように自由にネットワークの長さを指定できるCIDR方式でアドレスを分割しています。

クラス方式がアドレスを無駄にしていた理由

クラスフル方式ではネットワークの大きさが/8、/16、/24の3種類にしか固定されていなかったため、例えば2,000個のアドレスが必要な組織にも65,534個収容できるクラスBを丸ごと割り当てざるを得ませんでした。これが多くの組織で積み重なり、大きな無駄につながったことが、後にこの方式が置き換えられた大きな理由の一つです。

クラスDとEは特殊な用途以外ではほとんど登場しない

クラスA・B・Cとは異なり、クラスD(マルチキャスト)とクラスE(予約)は一般的な機器には割り当てられません。クラスDはルーティングプロトコル間の通信や動画配信のグループ送信などで使われ、クラスEは研究・将来用として予約されたまま、通常のインターネット通信にはほぼ登場しません。

よくある質問

今もインターネットのルーティングにクラスの概念は使われていますか?

いいえ。1993年以降はCIDR方式が実質的な標準となっており、実際のルーティングではクラスの境界は考慮されません。「クラス」という用語は、プライベートIP帯を説明したりネットワークの基礎を教えたりする際の便宜的な呼び方として今も使われています。

自分のIPアドレスが何番のクラスか、どうすれば分かりますか?

IPアドレスの先頭オクテット(一番最初の数字)の値を確認するだけです。0~127ならクラスA、128~191ならクラスB、192~223ならクラスC、224~239ならクラスD、240~255ならクラスEです。