第一の条件:死後すばやく埋まること
生物は死んだ後、長く空気中にさらされるとほとんど腐敗したり他の動物に食べられたりして消えてしまうため、化石になるにはまず泥や砂の中にすばやく埋まる必要があります。地球に生きていた生物のうち、実際に化石として残る割合はごくわずかにすぎません。死んだ直後に、洪水や火山灰、川底の堆積物のように酸素が少なく微生物の活動が遅い環境にすばやく埋まることで腐敗や分解を避けることができ、そうして初めて次の段階である鉱物化の過程に進む可能性が生まれます。
鉱物置換(石化) - 最もよく知られた化石化の方式
骨や木の組織の空いた空間に、地下水に溶けていた鉱物成分が染み込んで固まることで、もとの形をそのまま保ちながら石のように硬くなる過程です。地中に埋まった遺骸の隙間に鉱物質の豊富な地下水が徐々に染み込むと、その中のケイ酸塩や炭酸カルシウム成分が組織の微細な隙間を満たしながら結晶化します。この過程が非常に長い時間をかけて繰り返されると、もとの有機物は鉱物に置き換わって消え、その形だけが石のように硬く残ります。木が丸ごと石になった珪化木がその代表例です。
モールド(印象)とキャスト - 形だけが残る化石
生物の体は完全に分解されて消え、その跡に残った空間の形、あるいはその空間を再び満たした鉱物の形だけが化石として残る場合です。堆積物の中の生物が完全に溶けてなくなると、その跡にもとの形をかたどった空洞が残りますが、これをモールド(印象化石)と呼びます。その後、その空いた空間をほかの鉱物が満たして固まると、もとの生物の外見を再現したキャストができます。貝や三葉虫のように硬い殻を持つ生物で特によく観察される方式です。
琥珀(こはく)の中に閉じ込められた昆虫の化石
木から流れ出た粘り気のある樹脂が昆虫や小さな生物を包み込んだまま固まって化石化したもので、脚や羽のような微細な構造まで原形に近い形で保存されることが多くあります。生きている昆虫が木の樹液に閉じ込められて抜け出せないまま樹液が固まると、空気や微生物から遮断された環境の中で長い時間が経っても形がほとんどそのまま維持されることがあります。こうした琥珀化石は、ほかの方法では保存されにくい軟組織や微細な表面構造まで観察できる貴重な資料として扱われます。
凍結または乾燥によって丸ごと保存された化石
極地の永久凍土に凍りついたり、非常に乾燥した環境で水分が急速に蒸発したりすると、骨だけでなく皮膚や毛のような軟組織まで異例なほどよく保存されることがあります。シベリアの永久凍土で発見されるマンモスのように、氷の中に閉じ込められると腐敗を引き起こす微生物の活動がほぼ止まるため、肉や毛まで残っている場合があります。逆に砂漠のような非常に乾燥した地域では、水分が急激に抜けることで組織がミイラのように乾いた状態で保存されることもあります。どちらの場合も、骨だけが残る一般的な化石に比べてはるかに多くの情報を教えてくれます。
標準化石と示相化石の違い
広い地域に短期間生きていた生物の化石は地層の年代を教えてくれる標準化石として、特定の環境だけで生きていた生物の化石は当時の環境を教えてくれる示相化石として使われます。標準化石は地理的に広く分布しながらも生存期間が短いため、同じ化石が発見された地層であれば、たとえ互いに遠く離れていても近い時期に堆積したと推定できるようにしてくれます。一方、示相化石は特定の水温や水深、気候条件でしか生きられなかった生物の化石で、その地層が堆積した当時の環境を推測する手がかりとして活用されます。
化石記録の限界 - 保存バイアス
硬い骨や殻を持つ生物は、柔らかい体だけを持つ生物よりも化石として残る確率がはるかに高いため、化石記録は過去の生態系の一部だけを示す不完全な資料です。クラゲやミミズのように硬い組織を持たない生物は、極めて例外的な条件でない限り、化石としてほとんど残りません。そのため学者たちは、化石記録が実際に過去に存在した生物の多様性全体を示すものではなく、化石化に有利な条件を備えた一部の生物に偏った資料であるという点を常に念頭に置いて解釈しています。
化石の年代はどうやって分かるのか
化石を含む地層の上下関係から相対的な順序を推定したり、周辺の火山岩に含まれる放射性同位体の崩壊速度を利用して、より具体的な絶対年代を計算したりします。基本的に地層は下の方が先に堆積し、上の方が後に堆積するため、化石が発見された地層の上下の位置だけでも、おおまかな前後関係が分かります。さらに、化石層の近くにある火山灰や火成岩に含まれる放射性同位体が一定の速度で崩壊する性質を利用すると、はるかに精密な絶対年代を推定できます。