イーサネット自動協調(オートネゴシエーション)とデュプレックスミスマッチ解説

ケーブルを挿すだけで速度が勝手に合う理由も、原因不明に遅くなる理由も、この仕組みが関係しています。

オートネゴシエーションとは

LANケーブルでつながった2つの機器(PCとスイッチなど)が通信を始める前に、互いに対応可能な速度と通信方式の中から最良の組み合わせを自動で調整する手順です。ケーブルを挿すだけでほとんどの場合最適な速度で接続されるのは、この機能のおかげです。

半二重(Half)と全二重(Full)デュプレックス

半二重は一度に片方向にしかデータをやり取りできない方式で、全二重は送信と受信を同時に処理できる方式です。古いハブ環境では半二重が一般的でしたが、スイッチが普及した現在はほとんどが全二重で通信します。

デュプレックスミスマッチが起きる理由

片方の機器がオートネゴシエーションを使い、もう片方が速度・デュプレックスを手動で固定している場合、両者が異なる方式で通信してしまう「ミスマッチ」が発生します。例えば片方が全二重に固定されているのに、もう片方がオートネゴシエーションで半二重を選んでしまうケースです。

ミスマッチがあるときに現れる症状

インターネット速度が理論値より明らかに遅くなる、大容量ファイルのやり取り時だけ途切れる、スイッチのログに衝突(コリジョン)やエラーフレームが蓄積するといった症状が現れます。リンク自体は正常に接続されているため、原因の特定が難しいことが多いです。

解決方法

最も安全な方法は、接続する両方の機器を「オートネゴシエーション」に統一することです。特別な理由で速度を手動固定する必要がある場合は、ケーブルの反対側の機器も必ず同じ速度・デュプレックスに手動固定し、設定を揃える必要があります。

ギガビットイーサネット以上ではオートネゴシエーションが必須

1Gbps以上の速度を出すギガビットイーサネット以降は、規格自体にオートネゴシエーション手順が組み込まれており、速度を手動で固定することは事実上推奨されません。最新機器の多くがオートネゴシエーションを標準設定にしているのもこのためです。

イーサネットフレームの構造自体が気になる場合

ネゴシエーションが完了した後に実際にやり取りされるデータの単位が気になる場合は、イーサネットフレーム構造を徹底解説した記事も参考にしてください。

遅くなったインターネット速度を幅広く診断したい場合

ミスマッチ以外の原因も含めて幅広く確認したい場合は、Wi-Fiが遅くなる原因と解決法もあわせて確認してみましょう。

よくある質問

Wi-Fiでもデュプレックスミスマッチは起きますか?

デュプレックスミスマッチは有線LAN(イーサネット)接続で起きる現象です。Wi-Fiは通信方式自体が異なるため、この形のミスマッチは起きませんが、代わりに電波干渉やチャンネルの混雑など別の原因で速度が遅くなることがあります。

速度を手動で強制固定するのは常に良くないですか?

常に悪いわけではありませんが、反対側の機器と設定を合わせないとかえって問題を引き起こします。特別な理由(古い機器との互換性など)がなければ、最新機器では両側ともオートネゴシエーションにしておくのが最も安全です。