従業員持株制度(ESOP)を総まとめ

会社の株式を受け取ることになったら、メリットと一緒に知っておくべきリスクもあります。

従業員持株制度とは?

従業員持株制度(ESOP)は、従業員が自分の勤める会社の株式を取得できるようにする制度です。多くの場合、従業員が最初から個人名義で株式を保有するのではなく、従業員が組織する持株会などを通じてまとめて株式を取得・管理する形が取られます。

新規上場(IPO)時の公募株優先割当

企業が新規上場を行う際、多くの国・地域では従業員持株制度の参加者に対し、新規発行される株式の一部を優先的に割り当てる権利が認められています。一般の投資家よりも有利な条件で自社株を取得できる場合が多く、具体的な割当比率や手続きは各地域の制度や個別の上場案件によって異なります。

一定期間は売却できないロックアップ

従業員持株制度を通じて取得した株式には、一般的に一定期間(多くの場合1年程度)の売却制限(ロックアップ)が設けられており、この期間中は株価が下落しても任意に売却することができないのが原則です。

拠出金に対する税制優遇

国によっては、従業員持株制度への拠出金に対して、一定の限度額まで所得控除などの税制優遇が受けられる制度が用意されています。控除の限度額や適用条件は税制改正によって変わることがあるため、最新の基準は税務当局や会社の担当部署に確認するのがよいでしょう。

資産が一社に集中するリスクに注意

「卵を一つのカゴに盛るな」という分散投資の原則とは逆に、従業員持株制度では給与という収入源と株式という投資資産の両方が同じ会社に集中する構造になります。会社の業績や株価が大きく揺らぐと、収入と資産が同時に打撃を受ける可能性がある点は覚えておく必要があります。

ロックアップ解除後の引き出し

ロックアップ期間が終了すると、持株会などの規約で定められた手続き(勤続年数や抽選などの基準による順序)に従って、参加者個人の口座へ順次株式が引き出され、分配されるのが一般的です。

退職する場合、持株はどうなるか

制度ごとに規約は異なりますが、退職すると一般的に、それまで積み立てた持株について引き出しや精算の手続きが行われます。退職時点でロックアップ期間がまだ残っている場合、退職後もその制限が引き続き適用されることが多いため、退職前に自分が加入している制度の規約を確認しておくことが大切です。

この情報を参考にする前に

このページは、従業員持株制度の一般的な仕組みを紹介する教育的な内容です。優先割当の比率、ロックアップ期間の長さ、税制優遇の限度額といった具体的な数値は、国や勤務先、関連法令の改正によって異なるため、自分に当てはまる内容は会社の担当部署や税理士に確認してください。

よくある質問

従業員持株制度に参加すれば必ず利益が出ますか?

いいえ。取得した時の価格より株価が下落すれば損失になる可能性があり、ロックアップ期間中は基本的に売却できないため、その間に株価が下がり続けても、売却によって損失を回避することはできません。

退職すると従業員持株はどうなりますか?

加入している制度の規約によって異なりますが、一般的には退職時点までに積み立てた持株を引き出す、または精算する手続きが行われます。ロックアップ期間がまだ残っている分については、退職後もその制限が続けて適用される場合があります。