電気分解の原理を理解する

項目をクリックして詳しい内容を確認してみましょう。

  1. 電気分解とは何か

    電気分解は、自然状態ではあまり起こらない化学反応を外部から電気エネルギーを供給して強制的に起こし、化合物を成分物質に分解する過程です。電気エネルギーを化学エネルギーに変える反応という点で、化学エネルギーを電気エネルギーに変える電池とは正反対の原理と見ることができます。

  2. 水の電気分解

    純粋な水は電気をあまり通しませんが、少量の電解質を溶かした後に直流電流を流すと、陰極では水素気体が、陽極では酸素気体が発生します。このとき発生する水素と酸素の体積比は、化学式H₂Oに合わせておおよそ2対1になります。

  3. 電気めっきの原理

    電気めっきは、めっきしたい金属イオンが溶けている溶液に電流を流し、めっきする物体を陰極につなぐことで、表面に金属イオンが還元されて薄い金属層として付着する技術です。装身具に金や銀をめっきしたり、鉄製品にクロムめっきをしたりするのも、この原理を利用したものです。

  4. アルミニウム製錬など産業での活用

    アルミニウムは酸化アルミニウムを溶かした融体を電気分解して純粋なアルミニウム金属を得る方式で大量生産され、この工程は多くの電気エネルギーを必要とするため、アルミニウム製錬所は概して電力が安価な場所に建てられます。このほか銅の精製や、ナトリウムやマグネシウムのような反応性の高い金属の生産にも電気分解が広く使われています。

  5. 電気分解に必要な構成要素

    電気分解が起こるためには、イオンが自由に動き回れる電解質、電流が出入りする2つの電極(陽極と陰極)、そして電流を継続的に供給する直流電源が必要です。電池と異なり電気分解は反応が自然には起こらないため、外部電源が必ず必要です。

  6. 化学電池との反対の関係

    化学電池は自発的な酸化還元反応から出るエネルギーを電気エネルギーに変える装置である一方、電気分解は自発的ではない反応を電気エネルギーを投入して強制的に起こす過程です。実際に水を電気分解して得た水素を燃料電池に入れると再び電気を作り出せるため、二つの過程はエネルギーを蓄えて取り出す関係としても活用されます。

  7. 食塩水の電気分解とクロルアルカリ工程

    食塩水(塩化ナトリウム水溶液)を電気分解すると、陽極では塩素気体が、陰極では水素気体と水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)が生成され、これをクロルアルカリ工程と呼びます。こうして得られた塩素と水酸化ナトリウムは、漂白剤、消毒剤、石鹸、製紙など様々な産業分野の原料として使われます。

電気分解を知っておくとよい理由

電気分解は電気エネルギーを利用して自然にはあまり起こらない化学反応を強制的に起こす技術で、水素の生産から金属めっき、アルミニウム製錬まで現代産業のあちこちで活用されています。電池が化学エネルギーを電気に変えるものだとすれば、電気分解はその反対方向の変換を担います。

電気分解が酸化還元反応である理由も確認してみましょう

電気分解の2つの電極では、それぞれ酸化と還元が同時に起こります。電子の移動によって説明される酸化と還元の原理は、関連する別のトピックとして理解しておく価値があります。

よくある質問

純粋な水は電気分解しにくいのですか?

はい、純粋な水はイオンがほとんどなく電気があまり通らないため、電気分解が非常にゆっくり起こります。そのため実際には、硫酸や水酸化ナトリウムのような電解質を少量溶かしてイオンが電流をよく伝えるようにしてから電気分解を行います。

電気分解と電池は完全に反対の装置ですか?

原理の面では反対方向ですが、一つの装置が両方の役割を果たすこともあります。充電式電池は使用時には電池のように化学エネルギーを電気に変え、充電時には電気分解のように電気エネルギーを利用して化学反応を逆に戻します。