事実婚を解消するときの法的な注意点

婚姻届を出していなくても、長年一緒に暮らしてきた関係を解消するときには、実際に法的な問題が生じることがあります。整理する前に知っておきたいポイントをまとめました。

  1. 事実婚とは何か

    婚姻届は提出していないものの、夫婦として実質的な共同生活を送り、互いに婚姻の意思を持っていると認められる関係のことを指します。

  2. 財産分与請求が認められる場合がある

    多くの国・地域の裁判所では、事実婚関係にある間に夫婦で協力して築いた財産については、法律婚に準じて財産分与を請求できると扱われるのが一般的です。

  3. 慰謝料請求も可能な場合がある

    正当な理由なく一方的に関係を破棄したり、破綻の原因を作った側がいる場合、相手に対して慰謝料を請求できることがあります。

  4. 相続権は原則として認められない

    事実婚のパートナーは法律上の配偶者ではないため、相手が亡くなっても原則として相続人にはなれません。これは法律婚との最も大きな違いの一つです。

  5. 子どもに関する問題

    事実婚関係の間に生まれた子どもについては、認知の手続きなどを通じて法律上の親子関係を明確にしておく必要があり、養育費や面会交流については法律婚の離婚と同じように扱われることが一般的です。

  6. 事実婚関係を証明する資料

    同居していた期間がわかる住民票、結婚式の写真や招待状、共同名義の財産など、実質的な夫婦生活を裏付ける資料を準備しておくと、後のトラブルの際に役立ちます。

婚姻届を出していなくても、法的な問題は残る

事実婚は法律婚とは違う扱いを受けますが、関係を解消する際には財産分与や慰謝料をめぐって実際に争いになることがあります。どのような権利が認められ、どのような権利が認められないのかをあらかじめ知っておくことが助けになります。この記事は事実婚の解消に関する一般的な情報であり、家事事件を専門とする弁護士など専門家への相談に代わるものではありませんので、具体的な状況については必ず専門家にご相談ください。

裁判所はどのように判断するのか

争いが裁判所や調停に持ち込まれた場合、どのくらいの期間同居していたか、双方に本当に婚姻の意思があったか、実際に財産や家計をどのように管理していたかが主な争点になります。関係が続いている間から記録をきちんと残しておくことで、いざ関係が終わったときに財産分与や慰謝料の請求がしやすくなります。

よくある質問

事実婚を解消するときも家庭裁判所に行く必要がありますか?

婚姻届を出していないため、法律婚のような離婚手続きを踏む必要はありません。ただし財産分与や慰謝料について意見が対立する場合は、家庭裁判所などに調停や審判を申し立てることができます。

事実婚は法律で完全に保護されますか?

財産分与や慰謝料といった一部の分野では法律婚に準じた保護を受けられますが、相続権のように法律婚にしか認められない権利もあるため、完全に同じ扱いを受けるわけではありません。