確定給付型(DB)と確定拠出型(DC)の企業年金の違い

会社が運用するか、自分で運用するかによって、退職後に受け取る金額は大きく変わることがあります。

確定給付型(DB)とは?

確定給付型は、勤続年数と平均賃金をもとにした計算式で受取額があらかじめ決まっており、その原資は会社が自ら運用する制度です。運用成績が良くても悪くても受け取る金額は変わらないのが特徴で、運用の責任とリスクは会社が負います。

確定拠出型(DC)とは?

確定拠出型は、会社が毎年、年間賃金の一定割合(おおむね8〜12%程度)を加入者個人の口座に積み立て、その資金をどう運用するかを加入者自身が選ぶ制度です。預金、債券型・株式型ファンド、ETFなど運用商品の成績(利益・損失)がそのまま退職給付額に反映されます。

運用リスクを誰が負うかが最大の違い

DB型では、会社の運用が損失を出しても受取額は変わらず、不足分は会社が補填します。一方DC型では、自分が選んだ運用商品の成績がそのまま受取額になるため、運用がうまくいけばDB型より多く受け取れる可能性がある一方、うまくいかなければ想定より少ない金額になることもあります。

昇給率によって有利不利が変わる

DB型は退職直前の平均賃金をもとに計算されるため、勤続期間中の昇給幅が大きいほど最終的な受取額も大きくなります。DC型はその年ごとの実際の賃金を基準に一定割合が積み立てられるため、昇給の影響よりも運用利回りの影響を強く受けます。そのため、大幅な昇給が見込まれる人はDB型、転職が多かったり運用でより高いリターンを狙いたい人はDC型が有利とされることが多いです。

運用指示の変更と移換の柔軟性

DC型の加入者は通常、四半期など一定の周期で運用商品の構成を変更でき、転職時には積み立てた資産を個人型の退職年金口座に移して運用を続けられます。DB型も転職時には個人口座への移換が行われますが、在職中は加入者自身が運用方法を選べない点でDC型と異なります。

どちらを選べばよいか

多くの会社では、加入者がDB型とDC型のどちらかを選べるようになっています。定年まで長く勤める予定で安定した昇給が見込めるならDB型の安定性が、運用に興味があり長期的な市場リターンを期待するならDC型が向いているといえます。どちらが常に優れているというわけではなく、自分の状況に合わせて判断することが大切です。

転職時の資産の移換について

転職や退職の際、積み立てた資産は通常、個人型の退職年金口座(米国のIRAロールオーバーに近い仕組み)に移され、実際に受け取るまで運用を続けられます。転職の際に慌てないよう、この仕組みをあらかじめ理解しておくと安心です。

本ページは一般的な情報提供であり、投資助言ではありません

このページはDB型・DC型企業年金の一般的な仕組みを紹介する教育目的のコンテンツであり、特定の制度や商品についての助言ではありません。制度の詳細、拠出率、保護の仕組みは国や会社によって異なるため、正確な内容は勤務先の人事担当部署や各国の年金関連機関に確認してください。

よくある質問

DB型からDC型に後から切り替えることはできますか?

会社の企業年金規約によって異なりますが、一定の条件のもとでDB型からDC型への切り替えを認めている場合が多くあります。ただし一度切り替えると再びDB型に戻すのは難しいことが多いため、慎重に判断する必要があります。

会社の経営が悪化すると、DB型の退職給付を受け取れなくなることはありますか?

多くの国ではDB型の制度に対し、資産の一定割合以上を会社の外部に積み立てておくことを義務付けており、会社の経営が悪化しても一定の保護が働くようになっています。国によっては不足分を補う公的な年金保険制度もあります。それでも積立比率が100%に満たない場合もあるため、勤務先の積立状況を確認しておくのがおすすめです。