なぜ過去方向の計算は「事実」で、未来方向の計算は「事実」ではないのか
過去の物価指数データは実際に記録・公表された数値であるため、過去の金額を今の価値に換算する計算は、既知の数字に基づく算数にすぎません。一方、将来方向の計算はまだ起きていない物価上昇率を仮定する必要があるため、その結果はあくまで前提となる仮定の確からしさに左右されます。将来予測を過去換算と同じ確信度で受け取らないことが大切です。
長期間になるほど、わずかな上昇率の違いが大きな差を生む理由
物価上昇は複利的に積み重なるため、30年という長期の見積もりでは、年2%と仮定した場合と年4%と仮定した場合の差は単純な2倍では済まず、複利の効果によってそれよりもはるかに大きな差になります。だからこそ、長期の将来価値の見積もりは、1つの確定した数字としてではなく、複数の仮定利率による「幅」として捉えるのが妥当です。
よくある質問
同じ過去の金額でも、計算ツールによって答えが違うのはなぜですか?
どの物価指数を使っているか(広い範囲の消費者物価指数か、より限定的な指数か)、その指数の基準年がいつか、指数がどれくらい最近まで更新されているかといった違いが原因であることが多く、こうした細かい手法の違いが長期間になるほど無視できない結果の差につながります。
物価がおおよそ2倍になる期間を素早く見積もる目安はありますか?
よく使われる簡易的な目安に「70の法則」があります。70を年間の物価上昇率で割ると、物価がおおよそ2倍になるまでの年数を見積もれます。仮に平均年3.5%の物価上昇が続くとすると、この目安ではおよそ20年ごとに物価が倍になる計算になります。