理論の由来と、フローチャネルモデル
チクセントミハイは1970年代から1990年代にかけての研究を通じてフロー理論を確立しました。これは、人がどのような条件のもとで最も満足感が高く生産的な心理状態を経験するかを研究した、ポジティブ心理学を代表する理論のひとつで、著書『フロー体験 喜びの現象学』を通じて広く一般に知られるようになりました。彼は挑戦(課題の難しさ)と実力(スキル)を2つの軸に置き、この組み合わせによって不安(挑戦が高くスキルが低い)、退屈(挑戦が低くスキルが高い)、無関心(両方低い)、フロー(両方が高くバランスが取れている)といった異なる心理状態が現れるモデルを示しました。これはしばしば「フローチャネル」と呼ばれます。
スキルが伸びると、フローの条件も変わっていく
フローは固定された難易度で起こるものではなく、実力の向上に合わせて挑戦のレベルも一緒に高めていかなければ維持できない、動的な状態として説明されます。そのため、以前はフローを感じられた活動でも、実力が上がるにつれて同じ難易度では物足りなくなり、もう一度フローを経験するにはより難しい目標を設定する必要があるとされています。
よくある質問
フローは楽しい活動でしか起こらないのですか?
必ずしもそうではありません。チクセントミハイの研究によれば、仕事や勉強のように一般的に大変だと考えられている活動でも、挑戦とスキルが適切に釣り合っていればフローを経験できると報告されています。
フローをより頻繁に経験するにはどうすればよいですか?
決まった正解はありませんが、明確な目標を立てること、自分の進み具合を自分で確認できるようにすること、今の実力よりも少しだけ難しい課題に挑戦することが、フローを経験しやすくする条件としてよく紹介されます。