基本原則:業務目的の支出に限る
法人カードは会社の信用枠を利用するものなので、取引先との打ち合わせ・出張・備品購入など業務に直接関係する支出に限って使うべきです。個人的な食事、家族への支出、私的な買い物、業務と無関係な時間帯の繰り返しの利用は、後から見直された際に説明が難しくなる典型的なケースです。カードを使う前に「これは明らかに業務関連で、後から見た人にも妥当だと思ってもらえるか」を自分自身に確認する習慣が役立ちます。
使用可能な項目と制限される項目を区別する
一般的に認められる項目には、取引先との会食費、事務用品・消耗品費、交通費・宿泊費などの出張費、業務に関連する購読料や資料代があります。逆に、商品券・ギフトカードの購入、風俗店など接待と誤解されやすい業種、私的な冠婚葬祭費、私的な旅行費用は、多くの会社で使用が制限または禁止されています。会社ごとに許可される業種のリスト(カード自体で特定の業種をブロックすることも多い)は異なるため、判断に迷ったら会社の利用規定を確認しましょう。
領収書だけでなく証憑もあわせて保管する
法人カードの決済後は、カードの利用明細だけでなく、会食であれば参加者と目的、接待にあたる可能性がある支出であれば相手先の組織名と面談の目的を記録して残しておく必要があります。この記録があってこそ、後日の税務調査や社内監査で支出内容を説得力を持って説明できます。ほとんどの会社は、利用後一定の営業日以内に精算システムへ証憑を添付するよう定めています。
利用限度額と発行・承認の手続き
法人カードは個人用カードのように自由に発行されるものではなく、上長の承認と経理・総務部門の審査を経て発行されます。月間限度額や1回あたりの限度額は役職や部署の性質によって異なることが多く、限度額を超える高額な支出(大規模な研修や懇親会など)は、事後報告ではなく事前の稟議や承認が必要な会社が多くあります。
精算期限と遅延した場合の不利益
ほとんどの会社は、利用後一定期間(例:利用後7営業日以内、または翌月の一定日まで)以内に証憑とともに精算を完了するよう求めています。期限を過ぎるとシステム上で警告が出たり、繰り返されると法人カードの利用が一時停止され、その後の支出は個人カードで立て替えて払い戻しを受けなければならなくなったりすることがあります。精算の遅延は会社の会計・税務申告のスケジュールにも影響しかねず、人事評価にマイナスに働くこともあります。
私的利用が発覚した場合の実際のリスク
法人カードの私的利用が確認された場合、多くの国では単なる規定違反にとどまらず、金額や態様によっては横領や背任として扱われ、社内懲戒、金額の弁済、悪質・反復的な場合には刑事告発にまで発展する可能性があります。支出の是非があいまいな場合は、購入前に上長や経理部門に確認しておくのが最も安全な選択です。